(ブルームバーグ):JPモルガン・チェースは一部の職務について、パリのトレーディング拠点からロンドンへ移す方針を固めた。事情に詳しい関係者が明らかにした。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)後に必要なEU拠点の人員数を過大に見積もっていたと判断したことが一因という。
関係者は、金利トレーダーを含む人員の移転には、役割の変更や個人の税務上の事情など、他にも複数の理由があるとしている。
JPモルガン広報は「パリはJPモルガンのEUセールスやトレーディング部門の拠点であり、当社は欧州大陸での大規模な事業に長期的にコミットしている」とコメントした。
2016年に英国がEU離脱を決定した後、世界の銀行は規制への対応や顧客へのアクセス維持のため、数年かけて資産や雇用をEU域内へ移転した。米国の金融機関がフランクフルトやミラノなど各都市で事業を拡大した一方、パリはトレーディングの主要拠点の一つとなった。
JPモルガンは、ブレグジット後にパリへ最も多くの人員を移した国際銀行の一つだ。パリのEU金融センターとしての地位強化につながったとして、同社のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)はフランスのレジオン・ドヌール勲章を授与された。
JPモルガンは昨年末時点で、フランスに約1000人の従業員を擁し、そのうち650人が市場部門に所属している。関係者によると、欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏におけるJPモルガンの人員規模を把握しており、変更については通常の対話の中で話し合われる見通しだ。ECBの担当者はコメントを控えた。
フランスで事業を展開する銀行や企業にとっては、同国の長期間にわたる不安定な政治・財政が課題となっている。来年予定されている大統領選挙は、税制や労働法、ビジネス改革を巡る不確実性をさらに高める可能性がある。
原題:JPMorgan Moves Some Paris Traders to London in Brexit Rethink(抜粋)
--取材協力:Greg Ritchie.
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