(ブルームバーグ):27日の日本市場は日経平均株価が6万円台を回復し、取引時間中の最高値を2営業日ぶりに更新した。日米ハイテク企業への根強い業績期待に加え、イランが米国に新たな提案を示したとの報道を受け、ホルムズ海峡再開への期待が高まった。円は対ドルで朝方の下げを解消し、債券も下げ渋っている。
イランはパキスタンの仲介を通じ、ホルムズ海峡の通航再開と戦争終結に向けた新たな合意案を米国に提示したと、米ニュースサイトのアクシオスが関係者の話として報じた。核協議は後の段階に先送りする内容だという。和平交渉の停滞を嫌気して上昇していた原油相場は報道後、上げ幅を縮小した。
大和証券投資情報部の坪井裕豪チーフストラテジストは、市場が期待しているイランと米国が合意するとの方向性に合ったニュースでポジティブと話した。ホルムズ海峡の封鎖に終わりが見えているのであれば 保守的な業績見通しも割り引いて考えることができ、「株式市場にとっては好材料」と話した。
今週は日本企業の決算発表が本格化するほか、米ハイテク大手の決算も相次ぐ。トランプ米大統領が次期連邦準備制度理事会(FRB)議長に指名したケビン・ウォーシュ氏の承認阻止が撤回されたことも株式相場を支えている。
株式
日経平均株価は1%以上上昇し、TOPIXも朝方の下げから持ち直している。
日米ハイテク企業への業績期待が強く、人工知能(AI)・半導体関連の一角で買い先行。好決算や株主還元を受けてキーエンスやファナックが急伸するなど機械株も高く、銀行や化学、自動車なども上げている。半面、医薬品や商社、海運などは安い。
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、イランによる新提案の報道は「ポジティブで、先物主導で株価を押し上げた」と指摘。もっとも、報道の真偽や今後の展開を見極める必要があり、「本格的な買いは続きにくい」とも話した。
為替
円相場は対ドルで159円前半で推移。週末に米・イランの和平交渉が行われず、早朝に159円台後半まで有事のドル買いが先行した後、イランの新たな提案提示の報道を受けてドルが売り直されている。
みなと銀行の苅谷将吾ストラテジストは、中東情勢を巡っては協議は停滞しているが、衝突も回避できている状況で、ドル・円は「一方向に向かう地合いではない」と指摘。その上で、大きな進展がない限りは、159円台での推移が続くと予想した。
週内に予定される日本銀行と米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策決定にも注目が集まっている。SBI FXトレードの上田真理人取締役は、金利の据え置きが織り込まれている日銀決定会合では、票がどの程度割れるかや植田和男総裁の会見の内容がポイントだとし、ハト派的な内容であれば円安が進むとの見方を示した。
債券
債券は下落して始まった後、イランの新提案報道や原油高一服を受けて下げ渋っている。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、和平協議が実現せず、原油高に伴い売りが先行したが、その後高市早苗首相が補正予算編成の必要性について否定的だったことも買い材料になっていると説明した。
--取材協力:横山桃花.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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