日産自動車は、米国と日本で逆風が吹く中で業績回復の鍵を中国に見いだしている。

同社は中国での成長計画を推進しており、2030年までに年間販売台数100万台を達成し、中国の工場から世界各地へ数十万台の車両を輸出することも目指している。

日産は03年に東風汽車集団との合弁会社設立を発表。セダン「シルフィ」で成功を収めるなど、中国市場でいち早くリードを築いた。しかしその後、中国の新興電気自動車(EV)メーカー各社が消費者の支持を集めたことで、販売台数はほぼ半減した。それでも日産は、20年余りにわたり培ってきたノウハウと関係が、なお優位性をもたらすと賭けている。

日産の中国事業責任者であるスティーブン・マー氏は24日、北京モーターショーで行われたインタビューで、「変化のスピードは加速し続けている」と指摘した。

米国と欧州、日本の各ブランドが現地の競合相手に対し急速に劣勢に立たされている現状を踏まえると、これは野心的な計画だ。しかし、18年のカルロス・ゴーン会長(当時)の逮捕後、ラインアップ刷新の遅れや経営の混乱によって販売拡大に苦戦してきた日産にとって、あらゆる困難を乗り越えて中国で生き残ることは、再起に向けた最大の好機となる可能性がある。

マー氏によれば、日産は中国勢に後れを取らないようペースを維持しており、最新ラインアップの各モデルの開発にそれぞれ2年を費やしてきた。旧来のブランドが通常4年から5年を要するのに対し、「24カ月というのは、すでにチャイナスピードだ」と同氏は語った。

比亜迪(BYD)や吉利汽車などの現地EVメーカーは、洗練されたソフトウエアを搭載した新型バッテリー駆動車の構想と開発、市場投入までに要する時間を劇的に短縮している。

マー氏によると、直近の会計年度に日産の中国での販売台数は7年ぶりに増加し、下期には前年同期比4.5%増加した。日産は向こう1年間で中国でさらに5モデルを投入する計画。これによって全電動セダンからプラグインハイブリッドのトラックまで、昨年掲げた新型10車種のラインアップが完成することになる。

イヴァン・エスピノーサ最高経営責任者(CEO)は、30年までに中国で年間100万台を販売することに加え、中国製車両を他市場へ輸出することも目標に掲げていると説明。当初は10万台、最終的には30万台の輸出を目指すとしており、これは同社がこれまで採用していなかった戦略だ。

EVセダン「N7」は中南米と東南アジアに輸出し、新型ピックアップトラック「フロンティア・プロ」はこれら2つの市場に加え、中東でも販売する予定だ。最新モデル「NX8」も近い将来に輸出する予定だが、経営陣はどの市場向けになるかについて言及を避けた。

日産は今月、製品ラインアップの大幅な刷新を発表し、米国と中国での新たな販売目標を示した。エスピノーサ氏は、モデル数を56から45に削減する計画を示し、販売台数の80%について、共有プラットフォームに基づく3つの主要な車両「ファミリー」に集約することで効率化を図る計画だと述べた。

東風日産乗用車の関口勲総経理は、「私たちは中国で生き残るための教訓を学んだ」と語った。

原題:Nissan Is Betting on ‘China Speed’ to Get Back on Its Feet(抜粋)

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