ソニーグループの子会社ソニーAIは、経験豊富な卓球選手に勝てるスピードと正確さを備えた卓球ロボットを開発した。

「Ace(エース)」と名付けられたこのロボットは、人工知能(AI)エージェント。視覚センサーとモデルフリー強化学習、高速ロボットハードウエアを組み合わせ、卓球ラケットを取り付けたクレーン状のレバーで構成される。

Aceは空間内の卓球ボールを自律的に特定し、相手コートに返球するために必要な適切な技術を判断し、ラリーが終わるまでそのプロセスを繰り返すことができる。AIエージェントは、限られた人間の監督の下で推論し、多段階の問題を解決するために行動できるシステムだ。

ソニーAIの研究チームは、卓球で人間とAIの対決を行い、経験豊富な選手にも勝てるだけのスピードと正確さを備えた卓球ロボットを開発した

ソニーAIの研究チームは、上位ランクの卓球選手との一連の試合でAceをテストした。対戦相手のプレースタイルに関する事前知識なしで、ロボットは10年以上の集中的なトレーニングを受けたエリート選手5人を相手に13試合中7勝を挙げた。公認リーグに所属するプロ選手2人との対戦では、7試合中1勝だった。

卓球は精密な動きや瞬時の意思決定、パワフルな反応を必要とするため、AIシステムが複雑な物理環境でどのように相互作用するかを示す事例となる。

従来のロボットも卓球ボールを打ち返すこと自体は可能だったが、アマチュアレベルを超えたものはなかった。英科学誌ネイチャーに掲載された今回の研究は、ロボットが経験を積み重ねた選手と競い合える水準に達した初の例。

ソニーAIのチーフサイエンティスト、ピーター・ストーン氏は発表資料で、「AIシステムが、精度と速度を要する複雑で急速に変化する現実世界の環境において、知覚し、推論し、効果的に行動できることを示している」と説明。「こうした条件下でAIが人間の熟練レベルで動作できるようになれば、これまで手の届かなかったまったく新しい種類の実世界の応用への道が開ける」とコメントした。

原題:Ping Pong Robot Uses Agentic AI to Beat Expert Human Players(抜粋)

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