ドイツの政府系ファンド、放射性廃棄物処分基金(KENFO)は、緊迫の度合いを深める地政学的状況の変化を受け、長年続けてきた武器メーカーへの投資制限を撤廃する。

KENFO(運用資産256億ユーロ=約4兆8000億円)のアーニャ・ミクス最高経営責任者(CEO)はインタビューで、防衛関連企業が発行する株式・債券を今後は自由に購入できるようになると語った。従来は売上高に占める防衛関連事業の割合が5%を超える企業の流動資産保有を禁じていた。

欧州の投資家の多くは、武器メーカーへの資金配分を民主主義防衛のための持続可能な戦略と位置付け、広範な調整が行われている。しかしミクス氏によると、KENFOは見解を異にする。

「軍需産業は持続可能でないと引き続き考えているが、安全保障環境の変化で必要になった」と同氏は説明。ドイツが防衛費を増やす今の状況で、政府系ファンドが関与を拒むことは現実的でないとの認識を明らかにした。

ミクス氏は「年半ばまでに軍需産業へのエクスポージャーが高まる」との見通しを示したが、防衛関連企業の株式・債券買い入れで明確なマンデート(指令)はないと強調した。

ロシアのウクライナ侵攻が長期化する一方、トランプ米大統領が北大西洋条約機構(NATO)に不満を表明し、米国の脱退の可能性も示唆する中で、欧州連合(EU)は米国に依存しない安全保障の新時代を模索している。

ドイツでは財政規律を緩和する基本法(憲法)改正により、防衛費の大幅な増額に道が開かれた。これに伴い、中核的な防衛費を国内総生産(GDP)比3.5%とする北大西洋条約機構(NATO)の新たな目標が6年早く達成されることになる。

原題:Germany’s Wealth Fund Is Dropping Restrictions on Weapons (1)(抜粋)

(ミクスの発言を追加して更新します)

--取材協力:Michael Nienaber.

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