ブリヂストンは21日、総額1200億円の社債の発行条件を決めた。中東情勢を受け市場環境を見極めるとして一時延期したことが奏功し、国債利回りの低下で調達環境が改善する中での起債となった。

発行するのは2年、5年、10年の3本立て。国債に対する上乗せ金利(スプレッド)はそれぞれ21ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)、25bp、34bp、発行利率は1.543%、2.060%、2.726%に決まった。

ブリヂストンのロゴ

発行総額は同社として2019年以来の大きさ。26年度の機関投資家向け債としては、金融機関を除く民間事業会社で東京電力パワーグリッドの総額1700億円に次ぐ規模になった。東京電力ホールディングスが政府系機関を通じた公的支援を受けていることを踏まえると、実質的に今年度初めて1000億円を超えた案件となった。

ブリヂストンは格付投資情報センター(R&I)と日本格付研究所(JCR)で「AA+」の発行体格付けを取得している。中東情勢を巡る不透明感が続く中でも、信用力の高い発行体には資金が流入する構図となっている。

ブリヂストンは当初、13日の週前半の条件決定を予定していたが、市場環境を見極めるため延期を決断した。値決めの基準となる国債利回りは13日にピークを付けた後、低下基調をたどり、10年債は10bp程度低下。社債の発行利率は国債利回りにスプレッドを加算して決まるため、延期は結果的に調達コストの抑制につながった。

実際、5年債の発行利率は、10日に起債した準地方債に位置付けられる神奈川県住宅供給公社(2.147%)や、16日に同じスプレッド水準で起債した日本郵政(2.083%)など、JCRの格付けが同じ発行体の5年債を下回った。

ブリヂストンの森田明伸広報担当は電話取材で、市場環境を見極めるために起債を延期したが、引き続き堅調な投資家需要を確認できたことから起債に踏み切ったと述べた。同社は今回債で調達した資金を成長投資や設備投資、資本効率化を目的とした自己株式取得などに充てる予定だ。

主幹事の三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、最終需要は1460億円程度だった。同社デット・シンジケーション部の鰐口豪太エグゼクティブ・ディレクターは「中東情勢がくすぶる中でボラティリティーが高く、不透明感が強い市場環境下での大型起債となった」とし、「クレジットの良いレアネームで関心が集まった」と話した。

(第7段落以降に発行体と主幹事のコメントを追記しました)

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