分散型金融(DeFi)最大の貸し出しプラットフォームから、巨額の資金が引き揚げられた。週末にほぼ無名の暗号資産(仮想通貨)プロジェクトがハッキングされ、3億ドル(約476億円)が流出したことをきっかけに、信認危機が広がっている。

サイバーセキュリティーの調査会社ペックシールドによると、ハッカーは盗んだトークン約2億ドル相当を、DeFiプラットフォームのアーベに担保として差し入れ、別の暗号資産を借り入れた。この動きが担保価値への懸念を呼び、利用者の資金引き出しを加速させたと、オーストラリアのデジタル資産ヘッジファンド、アポロ・クリプトのポートフォリオマネジャーであるプラティク・カラ氏は述べた。

ハッキングのニュースが流れ始めたのが先週18日。業界データをまとめるDefiLlamaによると、それ以降、アーベの純流出額は約90億ドル相当に達し、同プラットフォームでロックされた資産総額は3分の1以上減少して、175億ドル相当となった。

アポロ・クリプトのカラ氏は「アーベに意図せぬ穴が開いたことから、預金の取り付けが起きている」と指摘。「まず資金を引き出し、考えるのはその後でというのが鉄則だ」と述べた。

アーベにコメントを求めたが、現時点で返答は得られていない。

この事件は中央仲介者なしで運営されるDeFi特有の脆弱(ぜいじゃく)性を浮き彫りにした。数週間前には別のプラットフォームであるドリフト・プロトコルから2億8000万ドル相当が盗まれている。

サイバーセキュリティー調査会社のサイバーズによると、攻撃の規模と高度な手口から北朝鮮関与の可能性が高い。ハッカー集団はブロックチェーン接続ソフトを標的にし、ケルプ・ダオが運営するプロトコルを通じてイーサリアムの派生トークンを盗んだ。

原題:Crypto Hack Sparks $9 Billion Outflows From Top DeFi Lender (1)(抜粋)

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