(ブルームバーグ):メルツ独首相は、世界的なエネルギー危機を巡り国家安全保障会議を招集する考えを示した。欧州最大の経済大国であるドイツへの影響を巡る懸念の高まりを示唆した。
世界最大級の産業見本市ハノーバー・メッセで19日に演説したメルツ独首相は、「ベルリンで国家安全保障会議の会合を近く招集する」と述べ、同会議は必要に応じてエネルギー安全保障を確保するため即時行動を取る権限を持つと付け加えた。
メルツ首相は「ドイツ経済と国民は、ガソリンやディーゼル、航空燃料といった主要製品の供給が引き続き確保されると信頼できなければならない」と指摘。「現時点では市場環境は逼迫(ひっぱく)しているが、ドイツ国内の供給は確保されている」とした。
状況が悪化した場合には「対策を用意している」と述べたが、具体的な措置には言及しなかった。
ドイツ航空大手ルフトハンザ航空は、世界の他の航空会社と同様、ジェット燃料の備蓄減少を受けて運航便数の削減を発表した。メルツ政権はドライバーの負担軽減のため2カ月間、自動車燃料税を引き下げることを決定した。
ハノーバー・メッセに首相と共に出席したブラジルのルラ大統領は自国について「不安定な世界における信頼できるパートナー」であり、「欧州連合のエネルギーコスト低減に寄与できる」と強調した。また、トランプ米大統領と「対イラン戦争という狂気」を批判した。
メルツ首相とルラ大統領は戦略的パートナーシップの強化を目指し、20日に閣僚会合を開く。双方は原材料、防衛、デジタルトランスフォーメーション、気候変動分野で一連の共同プロジェクトを採択する。
政府データによると、ブラジルはドイツにとって南米最大の貿易相手国で、貿易額は200億ユーロ(約3兆7400億円)超に上る。また、レアアース(希土類)を巡り中国依存を低減するドイツの取り組みにおいてもブラジルは重要な役割を担っている。
原題:Merz Sets Crisis Talks to Tackle Energy Price Impact on Germany(抜粋)
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