富国生命保険は2026年度に国債残高を1100億円積み増す。超長期金利の上昇余地は限定的との見方から、外債から円債へのシフトを減速させる。小野寺勇介執行役員・財務企画部長が16日に明らかにした。

国債残高の積み増し額は前年度実績(4800億円の見込み)から大きく減少する。小野寺氏は「25年度は国内金利が想定以上に上昇したため、外債からの入れ替えにより投資が増えたが、26年度は超長期金利がおおむね横ばいとみており、入れ替えはマイルドになる」と説明した。

富国生命は前年度に5600億円(10月時点)と生保勢で最大規模の国債残高積み増しを計画したが、高市政権誕生に伴う価格変動の拡大を受けて投資姿勢を慎重化した結果、未達に終わった。26年度計画も前年度を下回り、債券市場は生保による積極的な投資が見込みにくい状況が続く可能性がある。

日本証券業協会のデータによると、生保と損害保険会社を含む保険会社は主な投資対象である超長期債を2月まで7カ月連続で売り越した。

小野寺氏は「高市トレードのような形で円金利のボラティリティーが高まったため、少し慎重になった」と25年度の国債投資を振り返る。26年度末の金利水準は10年が2.3%、30年が3.5%と、いずれも足元の2.4%、3.6%程度より低い水準を想定。現状程度が「実力相応」とした上で、昨年よりは高い金利水準であるため「淡々と買っていく」と話した。

一方、リスクシナリオとして「財政悪化への懸念が急激な円安や長期金利の急上昇を引き起こす可能性もある」と指摘。金利の想定レンジの上限は10年で2.8%、30年は4%とした。

小野寺氏は、市場が何らかの要因でオーバーシュートし持続可能でないと判断すれば、柔軟に対応する考えも示した。「短期資金は十分あるため、取り崩しや外債からの入れ替えで円債購入額を増やすことも当然念頭に置いている」と述べた。

【金融環境見通し:2026年度末(想定レンジ)】

--取材協力:佐野七緒.

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