世界的な独立系資源・エネルギー商社ヴィトール・グループは、今年1-3月(第1四半期)の損益が約20億ドル(約3180億円)の黒字だったと金融機関に伝えた。イラン戦争の影響で一部事業で被った損失を巡り、貸し手の不安を和らげる狙いがある。

非公開情報を理由に複数の関係者が匿名を条件に語ったところでは、利益の数字は過去1週間のやりとりで非公式に伝えられた。一部の関係者によれば、第1四半期の収支を確定させる作業が続いており、数字は変更もあり得る。

資源商社は石油やガスを買い付け、世界各地に輸送するために多額の現金を必要とし、それを銀行からの与信で賄う。その意味で金融機関との関係は極めて重要だ。

米軍とイスラエル軍が2月28日にイラン攻撃を開始したことを受け、ホルムズ海峡経由の供給途絶が石油・天然ガス価格を急騰させ、3月初めに国際エネルギー市場は動揺した。ヴィトールが所有する貨物もペルシャ湾で身動きが取れない状況となった。

ヴィトールが戦争初期の価格変動で多額の損失を被ったデリバティブ(金融派生商品)チームの再編に動いているとブルームバーグが伝えた後、同社は金融機関に説明を行った。4月11日の報道によると、一部のポジション解消後、ヴィトールのデリバティブトレーダーが損失の一部を相殺した。

関係者によれば、事業の他の部分は収益性が極めて高く、健全な流動性を維持していると貸し手に伝えたという。

ヴィトールは業績を正式に発表していない。同社はコメントを控えた。

商品市場の著しい動揺は、ヴィトールのようなトレーダーにとって一般的にプラスとなる。ロシアのウクライナ侵攻がエネルギー危機を引き起こした2022年から24年の3年間で、同社は370億ドルの利益を計上した。

原題:Vitol Made About $2 Billion in First Quarter Despite War Losses(抜粋)

--取材協力:Jack Farchy.

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