米メタ・プラットフォームズは、メモリーチップ価格の上昇を理由に、仮想現実(VR)ヘッドセットの価格を引き上げる。最近相次ぐ業界全体の値上げの流れに加わる形となる。

メタは16日、エントリーモデルの「Quest 3S」を50ドル(約8000円)、上位モデルの「Quest 3」を100ドル値上げすると発表した。Quest 3Sは容量128ギガバイトのモデルが350ドル、256ギガバイト版が450ドルとなる。Quest 3は600ドルに引き上げられる。

同業他社と同様にメタは、人工知能(AI)ブームに伴うメモリー価格上昇やサプライチェーンの逼迫(ひっぱく)に直面している。アップルやマイクロソフトはノートパソコンを値上げし、サムスン電子も一部スマートフォンの価格を引き上げた。他のヘッドセットメーカーも値上げや製品投入遅延を余儀なくされている。

2021年にメタバースと仮想現実への注力を示すため社名変更したメタは、整備済みモデルの価格も引き上げると明らかにした。一方、広報担当者によると、スマートグラスの価格は現時点では変更しない。

同社は発表文で「高性能なVRハードウエアの製造コストが大幅に上昇しているため、今回の改定を行う」と説明。「Questプラットフォームで期待されるハードウエア、ソフトウエア、サポートの品質を維持するため、価格調整が必要だ」とした。

価格改定は4月19日に実施する。米国に加え、英国や欧州、日本でも値上げを行う。

メタのスマートグラスは、密閉型ヘッドセットを上回る人気を集めている。ただ同社は、VR機器に「引き続き注力する」としており、この分野は依然として「コンピューティングの未来」だとの見解を示した。今回の価格調整はそうした未来の実現に向けた軌道を維持するためのものだと説明した。

メモリー不足の影響を受けたVRヘッドセットやゲーム機はQuestが最初ではない。米バルブの最新製品は供給不足で発売が遅れており、VRヘッドセット「Pico 4 Ultra」は日本で5月に値上げされる。ソニーグループも家庭用ゲーム機の価格を引き上げている。

一方、アップルはヘッドセット「Vision Pro」の価格を変更していないが、同製品は3499ドルと高額で、値上げの余地は限られている。

原題:Meta Raises Prices of Quest VR Headsets on Growing Memory Costs(抜粋)

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