(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのドレンツ・スロベニア中銀暫定総裁は16日、エネルギー価格の下落により、ユーロ圏経済がECBの基本シナリオに近づいており、利上げが不要となる可能性を示した。
イラン戦争を巡る情勢は依然として不安定で、政策当局者は柔軟な姿勢を維持する必要があるとする一方、最近の停戦に伴い下落した原油・ガス価格は、ECBの悪化シナリオよりも基本シナリオに近いと指摘した。
国際通貨基金(IMF)の春季会合に合わせたインタビューで、「基本シナリオは、足元の状況が外生的な供給ショックであり、中期的にインフレ率が高まることはないというものだ。この場合、利上げは行われない」と語った。
ECB政策委員会の次回会合を約2週間後に控え、当局者らは戦争によるユーロ圏のインフレや経済成長への影響を見極めようとしている。事情に詳しい関係者によると、先行きが見えない中、当局者は金融政策の据え置きに傾いている。
ECBは、ロシアのウクライナ侵攻で物価が記録的な上昇となった2022年のような状況を容認しないと強調している。同時に、インフレ率の出発点が低いことや、政策スタンスが拡張的ではなく中立的である点など、当時との違いも指摘している。
ドレンツ氏もこの点に触れ、4年前とは状況が「全く異なる」とした上で、今は「判断までに若干の時間的余裕がある」と述べた。当局者らが現時点で把握している情報は、3-4週間前と大きく変わっていないとも語った。
さらに「経済の先行きは依然として不透明だ」とし、6月には状況がより明確になるとの見通しを示した。
また、ECBが3月に公表した基本シナリオが、市場が見込む2026年に2回の利上げを前提としていることについては、過度に重視すべきではないとけん制した。
「見通し策定時に市場が利上げを予想していたからといって、実際に利上げが必要になるとは限らない」と述べた。
原題:ECB’s Dolenc Says Falling Energy Prices Challenge Case for Hikes(抜粋)
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