ウクライナの要衝マリウポリをめぐり、ロシア国防省はウクライナの部隊が投降への呼びかけに応じなかったとして、改めて20日に投降するよう要求しました。


マリウポリのアゾフスタリ製鉄所を拠点とするウクライナ軍の部隊などに対し、ロシア国防省は19日、「武器を捨てたものは命を保証する」と投降を呼びかけました。

ロシア国防省はさきほど、日本時間の20日午前4時時点でウクライナ軍側から投降に応じたものはいないと発表。日本時間の20日午後8時から改めて投降するよう要求しました。

ロシア・ラブロフ外相
「作戦の新たな段階が始まっている」

これに先立ち、ロシアのラブロフ外相はウクライナでの特別軍事作戦についてこのように述べて、東部ドンバス地方の制圧まで攻撃は続くとの考えを示しました。

また、ショイグ国防相も軍幹部らとの会合で「設定された任務を果たす」と述べ、マリウポリを含む東部などでのさらなる攻撃激化への懸念が高まっています。

一方、ロイター通信によりますと、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問はマリウポリでは市民を退避させる人道回廊が機能しておらず、状況は「悲劇的だ」とした上で「停戦交渉のプロセスがますます困難になっている」と述べています。

米国防総省 カービー報道官
「マリウポリは陥落すると見る人もいるが、我々はそう思わない。キーウだってチェルニヒウだって陥落しなかったし、ウクライナ側は戦いを続けている」

アメリカ国防総省のカービー報道官は19日、マリウポリでの戦闘について、ウクライナ側の応戦が続いていて、ロシア軍は市を陥落させていないとの分析を改めて示しました。