原油価格は米国時間の16日の取引で上昇。米国とイランの停戦延長の可能性を示唆する兆候が意識される一方、ホルムズ海峡の事実上封鎖で引き続き供給が妨げられている。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物5月限は、前日比3.40ドル(3.7%)高の1バレル=94.69ドルで取引を終了。北海ブレント先物6月限は4.46ドル(4.7%)高の99.39ドルで引けた。

米国とイランが和平交渉の時間を確保するため、2週間の停戦の延長を検討しているとされる中、トランプ米大統領はイランとの合意見通しは「非常に良好」だと述べた。

一方、ペルシャ湾岸のアラブ諸国および欧州の一部指導者は、米国とイランの和平合意の成立には約6カ月を要するとの認識を示している。

米国とイスラエルによるイラン攻撃開始から約7週間が経とうとする中、ペルシャ湾と世界市場を結ぶホルムズ海峡では、船舶の動きがほぼまひした状態が続いている。米国はイランの船舶の通行を遮断するための海上封鎖を行い、イランも大半の他国船舶の通航を妨げている。

イラン統合軍司令部の司令官は、米国の封鎖が長期化すれば、ペルシャ湾、オマーン湾、紅海において「いかなる輸出入も認めない」と警告した。ヘグセス米国防長官は、トランプ大統領が命令を下せば米軍はいつでも戦闘を再開する準備ができていると述べ、イラン指導部に対応を促した。

原油は一時上げ幅を縮小する場面もあった。イスラエルとレバノンが10日間の停戦に合意したとするトランプ氏のSNS投稿に反応した。同氏は両国の停戦がニューヨーク時間午後5時に始まると説明した。レバノン南部では親イラン民兵組織ヒズボラとイスラエルが戦闘を繰り広げており、米・イラン間の2週間の停戦が頓挫する恐れがあった。

原油市場はイランを巡る戦争によって大きく混乱している。前例のない供給ショックが起き、インフレ圧力を押し上げる一方で経済成長を損なっている。今週ワシントンに集まっている各国の財務当局者は、先行きの不透明感に強い懸念を示している。ニュージーランドのウィリス財務相は、今回の戦争が「世界全体をより貧しくした」と述べた。

原油先物はイラン戦争前に比べ、なお約3分の1高い水準にあるものの、戦争初期に急騰した水準を大きく下回っている。ダイヤモンドバック・エナジーのケイス・ファントホフ最高経営責任者(CEO)は、現時点では、フォワードカーブが危機の実態の規模を十分に反映していないと指摘した。

バークレイズのアナリスト、リディア・レインフォース氏は、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで「現物市場は実際にははるかに高い価格を求めている。日量1000万バレル以上の供給が失われており、これは非常に大きな規模だ」と強調した。

オーストラリア・コモンウェルス銀行は、米国の封鎖が続く中、原油市場の混乱はさらに深刻化するとの見通しを示している。同行アナリストのビベック・ダール氏はリポートで、この封鎖により、先月ホルムズ海峡を通過した原油・石油製品約380万バレル分が、リスクにさらされていると指摘した。

原題:Oil Rises With Hormuz Still Shut as US, Iran Mull Longer Truce(抜粋)

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