(ブルームバーグ):中国の輸出が3月に増加したが、伸び率は急速に鈍化した。イラン戦争で世界のエネルギー供給が混乱する中、中国経済に対する圧力の高まりを反映している。
税関総署が14日発表した3月の輸出はドルベースで前年同月比2.5%増と、エコノミスト予想中央値の8.6%増に届かなかった。2月は40%近い伸びを示していた。対米輸出は26%超減少した。
一方、輸入は前年同月比約28%増加し、伸び率としては2021年後半以来の大きさとなった。予想は13.9%増だった。貿易黒字は510億ドル(約8兆1200億円)と、1年余りぶりの低水準にとどまった。
米国とイスラエルによる対イラン攻撃とそれに伴うイランの報復で3月は中東を中心に混乱が広がり、世界の市場や経済が大きく揺れた1カ月だった。
イランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖は、世界の石油や液化天然ガス(LNG)の約5分の1が通過する主要ルートをほぼ寸断し、プラスチックから繊維に至るまで原材料コストを押し上げた。中国では多くの消費財メーカーの利益が圧迫された。
もっとも、石油危機の影響を和らげているのが、世界的な人工知能(AI)投資ブームだ。これにより半導体メモリー価格が上昇し、韓国や台湾などアジア諸国・地域の輸出は急増した。
中国では、集積回路の輸出額が年初の2カ月で約70%増加し、電気機器は50%余り伸びた。
さらに、米連邦最高裁が2月にトランプ政権が昨年導入した関税措置の大部分について、連邦最高裁が無効と判断したことも追い風となった。これにより中国製品に対する関税が低下し、一時は145%に達していた水準から引き下げられた。
こうした相反する要因により、中国の貿易拡大を巡る正確な見通しは困難となっている。3月の輸出に関するエコノミスト予想は10%減から24%増加まで幅があり、ばらつきを示す標準偏差は、新型コロナウイルス感染拡大初期で経済が混乱していた20年4月以来の高水準だった。
現時点では、中国経済が比較的軽微な影響でこの混乱を乗り切ったもようだ。公式の製造業購買担当者指数(PMI)では、輸出受注が24年4月以来の高水準まで改善した。
エコノミストらは、輸出入が1-2月にいずれも約20%増と伸びた後、貿易活動は落ち着くと見込んでいた。
イラン戦争が中国の輸出見通しに与える影響はなお不透明だ。
少なくとも短期的には、中国の太陽光パネルなど環境関連製品に対する世界の需要が高まる可能性がある。実際、中国の電気自動車(EV)やハイブリッド車の海外販売は3月に倍増し、過去最高を更新した。オーストラリアでは、中国メーカーが初めて日本勢を上回り、英国でも市場シェアを倍増させた。
一方、原油高は一部の国で金融引き締めを招き、世界的な消費を圧迫する見通しで、中国の製造業にとっては逆風となる。
原題:China’s Export Growth Faltered in First Month of War in Iran (1)(抜粋)
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