中国の大手証券会社、華泰証券が日本で証券事業への参入を計画していることが分かった。準備会社を昨年設立しており、日本事業の責任者として大和証券出身の渋谷慎志氏を採用した。公表資料や複数の関係者への取材で明らかになった。

日本の登記情報によると、南京に本拠を置く華泰証券は2025年9月に東京で「華泰証券日本準備株式会社」を設立した。金融商品の取引や仲介サービスを提供する計画だ。海外企業は通常、日本の当局に金融商品取引業の登録を申請する前に、こうした子会社を設立する。

渋谷氏は大和証券の中国証券子会社の取締役や台湾子会社で社長にあたる総経理を務めた経歴を持つ。今年2月からは華泰証券の周易最高経営責任者(CEO)が準備会社の取締役となった。同時に財務責任者の焦晓宁氏も監査役についた。

華泰証券に電子メールでコメントを求めたが、返答は得られていない。

華泰証券は国際競争力を備えた投資銀行の育成を目指す中国政府の政策にも後押しされ、海外市場への進出を進めている。日本ではインフレ再燃で投資意欲が高まり、コーポレートガバナンス(企業統治)の改善を背景に企業の合併・買収(M&A)が活発化している。

同証券は金融テクノロジーに強みを持つ総合証券で、個人・機関投資家向けに資産運用など幅広いサービスを提供している。上海と香港、ロンドンに上場しており、時価総額は日本の独立系証券で第2位の大和証券グループ本社(約2兆4000億円)を上回る約3兆6000億円となっている。2018年以降、米国とシンガポールに子会社を設立した。

外資系証券では、スペイン第2位のビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)のほか、携帯電話などを通じたモバイル証券取引を強みにアジアなどで事業を拡大しているシンガポールのロングブリッジ・グループもそれぞれ年内の日本参入を計画している。

中国系の大手投資銀行では、中国国際資本(CICC)傘下の「中国国際金融日本」が21年に証券取引仲介業務に必要な第一種金融商品取引業の登録を受けた。中国インターネット企業最大手、テンセント・ホールディングス(騰訊)が出資する富途控股傘下のmoomoo(ムームー)証券も23年9月からサービスを開始した。

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