(ブルームバーグ):マレーシア沖で積み替えられた中東産原油が、日本へ向かっていることが分かった。珍しいルートを取り、現在は北海道の苫小牧へ向かっている。3月下旬にもインド西海岸のムンバイ沖で同様の積み替えが起きており、イラン情勢で中東産原油の供給が滞る中、異例の対応が相次いでいる。
ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによると、超大型原油タンカー(VLCC)「KISOGAWA」は5日、マレーシア西岸のリンギ沖でVLCC「RIO DE JANEIRO ENERGY」から中東アブダビ産の原油約120万バレルを受け取った。約1週間前にも、アブダビ産原油が洋上で積み替えられ、現在日本に向かっている。
船舶間の積み替え自体は石油業界で珍しくないが、通常は中東の輸出ターミナルから国内の製油所まで直航する日本の海運会社にとっては異例だ。イランによる船舶攻撃が相次ぎ、死者も出たことを受け、危険度が高まる紛争地帯にタンカーを近づけずに原油を確保しようとする船社の慎重姿勢を浮き彫りにしている。
海事データベースのエクアシスによると、川崎汽船がKISOGAWAの船主兼運航会社、シノコー・マリタイムはRIO DE JANEIRO ENERGYの管理会社として登録されている。両社からはコメントを得られていない。KISOGAWAが目的地として信号を発している苫小牧の製油所を保有する出光興産はコメントを控えた。
3月中旬、日本船籍のKISOGAWAは東南アジアから西に向かっており、オマーン湾のフジャイラへ向かうものと見られていた。だが3月23日、スリランカ沖でUターンし、3日にRIO DE JANEIRO ENERGYと合流するためマラッカ海峡へ引き返した。同船は3月上旬にアラブ首長国連邦(UAE)フジャイラにあるアブダビ国営石油会社(ADNOC)の施設で原油を積み込んでいた。
ホルムズ海峡が実質封鎖される中、原油の95%超を中東に依存する日本は代替調達を進めている。
3月末にはインドのムンバイ沖で「OLYMPIC LUCK」から「ENEOS GLORY」に約180万バレルの中東産原油が積み替えられた後、九州に向かっていることが明らかになっていた。
一方、商船三井関連の液化天然ガス(LNG)船や液化石油ガス(LPG)船3隻がホルムズ海峡を通過していることも明らかになっている。
--取材協力:稲島剛史.
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