イラン戦争の影響で米国産原油に空前の輸出需要が生じ、トランプ大統領が推進する「米国のエネルギー覇権」の追い風となった。しかし出荷が急増する中で、輸出は実質的限界に近づきつつある。

エネルギー輸送の要衝、ホルムズ海峡の封鎖状態が続き、中東からの原油供給が途絶える状況で、アジアなどの買い手は代替調達先を確保する懸命な努力を続けている。

しかしインフラと供給面の制約により、米国産原油のフローは、しばしば言及される日量約1000万バレルという名目上の能力を大幅に下回る可能性が高い。

トレーダーやアナリストは現実的に見て、その水準に近い量を維持することは不可能と考えており、現状では日量600万バレル未満か、さらに少ない量がより妥当な上限だと指摘する。実際の輸出量はそのレンジに急速に近づいており、4月は日量500万バレルに迫り、5月はそれを上回る公算が大きい。

イースト・デイリー・アナリティクスのアナリスト、ジュリアン・レントン氏によれば、現時点で物流の最大の障壁は海運に起因している。

「内陸のインフラではなく、海上輸出のインターフェース(接点)が主な制約になっているようだ。メキシコ湾岸からの原油出荷量は、船舶の確保や沖合での積み替え作業の限界にますます左右されつつある」とレントン氏は説明した。

超大型原油タンカー(VLCC)の運賃は急騰し、一部航路で過去最高を記録した。ドックやパイプラインの能力は余裕があるが、運賃高騰が採算に重くのしかかる。

それらの大型船舶を満載する目的で行われる「ライタリング(洋上での貨物の積み替え)」などの問題も存在する。トレーダーによると、ライタリングの費用は、過去数週間で最大10倍に跳ね上がった。

原題:US Crude Exports Test Limits as Shipping Constraints Mount(抜粋)

--取材協力:Lucia Kassai.

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