6日の日本市場は債券が下落し、新発10年国債利回りは1999年以来の高水準を更新した。中東情勢の緊張が金利上昇圧力となった。一方、停戦協議を巡る報道やホルムズ海峡での船舶通過による安心感から、日経平均株価は続伸した。円は対ドルで159円台半ばで推移した。

トランプ米大統領は5日、ホルムズ海峡封鎖が続けばイランの発電所や橋を7日に攻撃すると警告した。イラン側は「標的リスト」を公表し、クウェートの国営石油会社が攻撃を受けたと伝えた。トランプ氏は米東部時間6日午後1時(日本時間7日午前2時)に記者会見を開く。

一方、ニュースサイトのアクシオスは、米国とイラン、さらに地域の仲介国が戦闘終結につながる可能性がある停戦条件を協議していると報じた。

BNPパリバ・アセットマネジメントの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは、債券市場の「最大のドライバーはイラン情勢」だと指摘。インフレ圧力の高まりが超長期債にストレスをかけているほか、日本銀行の金融政策を巡る不透明感やあすの30年債入札を控えたポジション調整もあり、売りが出やすい状況にあると述べた。

債券

新発10年国債利回りは一時2.425%と99年以来の高水準を更新した。米国で雇用統計を受けて金利が上昇したことや、中東情勢のエスカレーションへの警戒から売りが優勢だった。

SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストはリポートで、原油輸送の混乱が続けば、日銀に緩和継続の圧力が強まる可能性が高いと指摘。利上げの遅れや、高市政権内で財政拡張論が強まるとの懸念から、利回り曲線にスティープ(傾斜)化圧力がかかるとみる。

あすの30年債入札はやや低調ないし無難な結果が見込まれている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストはリポートで、中東情勢不安の激化・長期化による利回り先高観や財政拡張への懸念が逆風となると指摘。高水準の利回りや年金勢のリバランス買い、発行減額は支えになるとの見方を示した。

新発国債利回り(午後3時時点)

株式

株式は日経平均が続伸。停戦模索を巡る報道や一部船舶のホルムズ海峡通過が好感され、半導体・人工知能(AI)関連のほか、銀行や化学などが上げた。もっとも中東情勢への警戒は続いており、主要指数は午後に勢いを失い、TOPIXは小幅安で終えた。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは「停戦につながる報道を受けて、買いを入れる動きが出た」と指摘。ただ、不透明感はなお強く、本格的に株価が戻る局面ではないとも話した。

高市早苗首相は6日、イランとの首脳級を含めた電話会談を調整していると参院予算委員会で答弁した。

市場は「TACO(トランプ氏はいつも腰砕け)」の可能性も意識している。フィリップ証券の笹木和弘リサーチ部長は、トランプ氏がSNSに投稿した「火曜日午後8時」との言及は、イランのインフラ攻撃期限が延長された可能性を示唆しており、投資家は前向きに受け止めているようだと述べた。

為替

円は対ドルで159円台半ばでもみ合った。SBI FXトレードの上田真理人取締役は、原油高にもドル・円の反応は鈍いと指摘。「情報が錯そうする中、トランプ氏の前向きな姿勢も伝わり、過度に悲観的になる必要はない」と述べた。

セントラル短資FX市場業務部の富永貴之部長は「トランプ氏が振り上げたこぶしを下ろさなければ、有事のドル買いが続く」とみる。ドル・円相場は薄商いで振れやすく、160円が「射程距離にある」とし、162円程度までの円安進行もあり得ると話した。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

--取材協力:アリス・フレンチ、横山桃花、日高正裕.

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