ウォール街の取引インフラをブロックチェーン基盤のシステムに移行すれば、コスト削減や決済の遅れ解消が期待できる一方、金融危機が当局の対応能力を上回るペースで拡大する恐れがある。国際通貨基金(IMF)がこうした分析を示した。

IMFのトビアス・エイドリアン金融資本市場局長は2日、トークン化に関する報告書を公表。株式や債券、現金などの資産を共有台帳上のデジタルトークンにする動きについて、単なる効率改善でなく金融システムの構造的変革だと論じた。

ブラックロックやJPモルガン・チェースなどの銀行や清算機関、資産運用会社は既に、株式や債券など伝統的資産の取引が容易になり、手数料収入の拡大につながると期待して、この技術の実証実験を進めている。

米証券取引委員会(SEC)のアトキンス委員長はトークン化を支持している。

エイドリアン氏は、この技術により取引の処理速度が向上するとした上で、こうした特徴は脆弱(ぜいじゃく)性でもあると指摘。「ストレスのかかる事象がより急速に進む可能性が高く、裁量的な介入のための時間は少なくなる」と記した。

決済の遅れは中央銀行や規制当局が危機時に介入するための時間を与え、緩衝材として機能しているとの認識を示した。

原題:IMF Warns Tokenized Finance Risks Amplifying Market Crises Ahead(抜粋)

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