未成年のソーシャルメディア利用を禁止する動きが、オーストラリアからフランスに至る世界各地に広がっている。

米国では最近、メタ・プラットフォームズのアプリやアルファベット傘下グーグルのユーチューブが依存性を高めるよう設計されていたと認定したカリフォルニア州の評決が追い風となり、禁止支持派が勢いづいている。

これまでの各国の議論では問題認識については一致しているものの、政策の実効性をどう担保するかを巡っては多くの論点があり、難しさが浮き彫りになっている。

規制で先行する豪州がいい例だ。16歳未満によるSNSの利用を禁じる法律は施行からすでに3カ月余りが過ぎたが、豪当局はメタとスナップ、TikTok、ユーチューブが未成年の接続を十分に阻止していないとして調査を開始した。同じような政策を検討するフランスなど多くの国が、豪州の動向を注視している。

フランスではマクロン大統領が15歳未満の利用禁止を優先課題に掲げている。支持が広く、政治的にも成果を得やすいテーマとみられる。9月までの法制化を目指しているが、法案は3月31日時点で上院で審議中で、修正される可能性がある。

スナップの欧州地域公共政策担当シニアディレクターを務めるジャン・ゴニエ氏は、「何らかの対策は必要だが、未成年の利用禁止は適切な解決策ではない。特に豪州の例を見るとそうだ」と主張。「機能する仕組みが必要だ。フランスでポルノの年齢確認が始まった際、VPN(仮想プライベートネットワーク)のダウンロードが急増したことを見れば分かる」とし、最近導入された未成年向け禁止措置に言及した。

法案反対のロビー活動では、他の公共政策担当者も禁止措置が望ましくない副作用を生むと指摘。ゴニエ氏は「禁止を回避しようとすると、より安全でないものに行き着く。いわゆる周縁的なアプリで、セキュリティーのないダークウェブだ」との見方を示した。

一方、法案を推進する仏与党のロール・ミレール議員は、VPNで利用者の位置を隠したり、友人の身分証を借りて年齢確認をすり抜けたりするリスクを認めつつ、退屈した若者が代替手段として利用する可能性がある対話型人工知能(AI)についても検証が必要だとしている。

同議員は「この禁止措置は完璧ではなく理想的な解決策でもないが、若者を守るために試みることができる唯一の手段だ」と語った。

フランスは豪州と異なり、スナップチャットやインスタグラムなどを全面的に未成年に禁止する計画ではない。「メッセージ機能は禁止できない」とミレール議員は説明した。未成年でもメッセージ機能は利用可能とする一方、コンテンツフィードは制限する方針で、国内で未成年に提供されていないTikTokのショッピング機能と同様の扱いとなる。

これまで欧州連合(EU)はデジタル規制を通じ、動画の自動再生や継続的なプッシュ通知といった、子どもに強迫的な行動を引き起こしかねない依存的設計を巡ってプラットフォームへの取り締まりを強化してきた。

欧州全体でのソーシャルメディア禁止の行方は依然として不透明だ。多くの国が独自の制度を進めている。EUの行政執行機関、欧州委員会は現時点で統一的な年齢基準の導入には踏み込んでいないが、各国の取り組みが進展すれば、規制の分断を避けるため対応を迫られ得る。

欧州委でデジタル規制を統括するビルクネン上級副委員長は記者会見で「現在、この問題について欧州レベルでのアプローチを検討している」と述べ、「文化の違いから加盟国ごとに対応は異なる」と付け加えた。

(この記事は、テクノロジー業界のビジネスを世界中のブルームバーグ記者が掘り下げて伝えるニュースレター「Tech In Depth」からの抜粋です)

原題:Teen Social Media Bans Are a Tricky Task: Tech In Depth(抜粋)

--取材協力:Gian Volpicelli.

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