(ブルームバーグ):米国とイスラエルは27日、イラン国内の複数の核関連施設や製鉄所を空爆した。イランもペルシャ湾岸地域で報復した。中東紛争の長期化が世界経済を押し下げるとの懸念が広がる中、原油価格が上昇した。
イラン国営メディアの報道によると、米・イスラエルはアラク原子力施設の一部である研究用重水炉、ヤズド州のイエローケーキ(ウラン精鉱)生産工場、国内最大規模の製鉄所2カ所を攻撃対象とした。
一方、イランは湾岸諸国に向けて多数の無人機(ドローン)とミサイルを発射。クウェートの2つの港で被害が発生し、カタールのドーハではミサイル警報が発令された。
イランはまた、湾岸全域およびイスラエルの製鉄所に報復攻撃を行うと警告した。
イスラエル当局は、イランによるテルアビブへのミサイル攻撃で男性1人が27日夜に死亡したと発表。また、サウジアラビアにある基地への攻撃で数人の米兵が負傷したと、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)やAP通信が報じた。
さらに、イエメンの親イラン武装組織フーシ派は27日、米国やイスラエルに他国が加担したり、紅海がイランへの敵対行動に利用されたり、イランの代理勢力への攻撃が拡大したりした場合には、直接的な軍事行動に踏み切る用意があると表明。イランの攻撃に不満を強める湾岸諸国の一部では、米国とイスラエルの作戦への参加を検討する動きもあり、こうした国々へのけん制となる可能性がある。
トランプ米大統領はイランに対するホルムズ海峡の封鎖解除期限を10日間延長し、応じなければ発電所への攻撃に踏み切ると圧力を強めた。
米国株は27日、大幅に下落。ナスダック100指数は調整局面入りした。トランプ氏が停戦に応じるようイランに強く求めていたにもかかわらず、攻撃が激化したことが背景にある。欧州株もおおむね下落し、アジア市場はまちまちの展開となった。米10年債利回りは昨年7月以来の高水準へと上昇した。
トランプ氏は27日午後、フロリダ州マイアミで記者団に対し、「彼らは今、交渉している。合意したがっている」と主張。「極めて単純な話だ。われわれの軍は世界で群を抜いている。イランは壊滅的な打撃を受けている」と述べた。
その後のイベントでも軍事作戦について言及し、「残る標的は3554あるが、それもかなり速やかに完了するだろう」と発言。演説後にどのように記憶されたいか問われると、「偉大な和平仲介者として記憶されたい。自分はそういう存在だと本気で信じている」と語った。
さらに「今はそうは見えないかもしれないが、私は和平をもたらす人物だと考えている」と付け加えた。
北海ブレント原油は27日に約4%上昇し、1バレル=112ドル超で取引を終えた。今年の上昇率は約80%に達している。中東紛争は主要国・新興国で燃料不足やスタグフレーション懸念を招いている。
イランのアラグチ外相は27日、発電施設への攻撃についてイスラエルを非難し、エネルギー施設を避けるとしたトランプ氏の約束に違反したと主張。イスラエルに重い代償を払わせると表明した。
トランプ氏による期限延長で、米国は中東地域に部隊を集める時間を確保することが可能で、地上部隊投入が近いとの観測も強まっている。
一方、トランプ政権は中東に数千人規模の兵力を展開しているものの、イランへの地上攻撃を直ちに計画しているわけではないとの姿勢を同盟国に示している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
ルビオ米国務長官は27日、記者団に対し、米国は地上部隊なしでも目標を達成できるとしながらも、「大統領があらゆる事態に対応できるよう、最大限の選択肢と対応の余地を常に確保する」と語った。
米国防総省が最大1万人を中東に追加派遣することを検討していると、WSJは報道。ホワイトハウスの報道担当、アナ・ケリー氏は軍事に関する発表は国防総省が行うとした上で、トランプ大統領は常に全ての軍事的選択肢を有していると述べた。
原題:US, Israel Hit Iran Nuclear Sites as Houthis Threaten Neighbors(抜粋)
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