石油の国家備蓄について政府があさって26日から全国11か所の基地で順次、放出を始めると発表しました。「国家備蓄基地」とはどんな場所なのか?北海道の基地にカメラが入りました。

月に1度の特売日に客でごった返す店内。お店側も“大喜び!”かと思いきや…

スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん
「イラン情勢が本来だったらもっと早く収束というところが、今現在の状況を見ても、すぐにでも解決する状況ではなさそう」

不安の理由は売り場に欠かせない「石油製品」です。例えば、お肉のトレーやお菓子の袋も。重油から抽出される「ナフサ」が主な原料となっています。

こちらの店舗では直ちに石油製品の供給が途絶えることはないといいますが、“心配の種”は他にも…

スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん
「こちらがお米のコーナー」

きょう、5キロ3219円で売られていたおコメ。ところが、イラン情勢を受けて再び値上げに転じる可能性があるといいます。

スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん
「今現在は影響は出ていないが、先々もしかしたら輸送コスト、ガソリン代が高値をつけてしまえば、それに伴って商品の仕入れ値に反映せざるを得ないということはゼロではない」

ホルムズ海峡の事実上封鎖の影響が広がるガソリンや石油製品。原材料を作る業界団体からは…

石油化学工業協会 工藤幸四郎 会長
「歴史上でホルムズ海峡が事実上全面的に閉鎖されるという経験はなかった。今の状況というのは極めて深刻に捉えている」

材料の価格高騰に経団連も…

経団連 筒井義信 会長
「(ナフサは)非常に日本の産業における石油に匹敵するくらいの重要度を占めている資源。そこの供給不安にさらされているということの中で、メーカーが値上げしていくという行動は合理的な企業行動である」

こうした事態に、政府はきょう…

高市総理
「今週26日から(石油の)国家備蓄の放出を開始します。こうした措置を通じて経済活動への影響を最小限に抑えるべく全力で対応してまいります」

石油の民間備蓄の放出に続き、「国家備蓄」もあさってから放出を始めると発表。政府が放出を決めた「国家備蓄」の基地とはどんなところなのか?

舞台は北海道苫小牧市。大自然を抜けて見えてきたのは超巨大なタンク。

記者
「こちらのタンクの中に原油が入っていまして、高さは11階相当、1周250メートルの巨大なタンクです」

ジャンボジェット機が丸ごと入るほどの大きさです。

全国の備蓄基地のうち、最大級だというこちらの基地。東京ドーム58個分の広大な敷地内に57基のタンクが並びます。今回、こちらの基地からの放出が決まりましたが…

JOGMEC 苫小牧東部基地 宅間之紀 所長
「原油輸送配管ですね。陸上6.4キロ、海底3キロですね。配管で桟橋の方へと行きます」

基地の外につながるパイプで地下などを通じて港まで輸送され、タンカーに積み込まれるといいます。

JOGMEC 苫小牧東部基地 宅間之紀 所長
「我々としても、体制維持というのは常に行っております。国民の皆様が必要としている備蓄は、こちらで管理してるところがありますので、国から指示が出ればですね、出せるということをやっていきたい」

政府は、あさって以降、こちらの基地や愛媛県今治市の基地など全国11か所で石油の放出を開始。放出予定量は、国内需要の1か月分になるおよそ850万キロリットル。

今回の放出を終えれば、国内に残る備蓄の推計量は200日分足らず。その間に、新規調達ルートの開拓など有効な対策を見つけることはできるのでしょうか?