(ブルームバーグ):トランプ米大統領の娘婿、ジャレッド・クシュナー氏が中東各地の政府系ファンドから集めた資金で運営する投資会社「アフィニティ・パートナーズ」の運用資産が、昨年30%近く増加していたことが、ブルームバーグが入手した規制当局への提出書類でわかった。
提出書類によると、アフィニティの運用資産は、投資での利益を含め、2025年末時点で62億ドル(約9890億円)に急増した。資産の約99%は米国外の投資家のものだ。主要な出資者には、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールに関連するファンドが含まれる。

クシュナー氏は、トランプ政権下で中東和平交渉を任されたことで、ここ数日、アフィニティの取引を巡り、議員らから再び厳しい監視の目を向けられている。米民主党の議員2人は先週、クシュナー氏が中東の投資ファンドと取引を行う一方で、同地域における外交政策の交渉も並行して行っていたことについて、詳しい説明を求めた。
ただ、同氏がトランプ氏の大統領1期目終了直後に同社を設立して以来、利益相反の可能性に対する懸念は常にあった。
アフィニティはすでに資金の大部分を運用済みで、新たなファンドの資金調達について、サウジアラビアの公共投資基金(PIF)などと協議を行っていた。だが、その後方針を転換し、アフィニティのイアン・ブレッケ最高法務責任者は、クシュナー氏が政府で活動している間は、追加の資本を受け入れない考えを示した。
ブレッケ氏は声明で「クシュナー氏は適用される全ての法律と要件を遵守しており、それ以外の主張は虚偽だ」と主張した。
匿名を希望する関係者は、アフィニティが設立以来20社以上に投資しており、内部収益率は25%に達していると明かした。
提出書類によると、アフィニティの戦略は地政学的リスクによって引き起こされる変革への投資に大きく依存している。資産の保管機関にはバンク・オブ・アメリカ(BofA)、ファースト・ホライズン・バンク、イスラエルの銀行ミズラヒ・テファホトを利用している。
クシュナー氏は、2期目のトランプ政権でも、非常に重要な外交交渉や非公開のビジネス取引に深く関与してきた。イランへの空爆を開始するわずか数日前に、トランプ氏はウクライナやイランの和平交渉の仲介役として、クシュナー氏を指名した。
クシュナー氏は注目度の高い複数の取引に関与している。アフィニティとサウジアラビアPIFは、テレビゲーム大手のエレクトロニック・アーツを買収する550億ドルの契約を締結した。アフィニティは、パラマウント・スカイダンスによるワーナー・ブラザース・ディスカバリーへの1080億ドル規模の敵対的買収提案も支援していたが、その後撤退した。
原題:Kushner’s Mideast-Backed Fund Assets Jump to $6.2 Billion (1)(抜粋)
--取材協力:David Scheer.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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