(ブルームバーグ):消費財大手ユニリーバは20日、食品事業を米マコーミックに売却する交渉を進めていると明らかにした。創業から約1世紀、マヨネーズの「ヘルマンズ」など世界的な食品ブランドを持つユニリーバは、美容・パーソナルケア製品メーカーへと変貌する。
ユニリーバはマコーミックから買収提案を受けたと発表したものの、取引が成立する確証はないとしている。英銀バークレイズは、ユニリーバの食品部門の株式価値を約280億-310億ユーロ(約5兆1300億-5兆6800億円)と見積もっている。
ユニリーバの株価は、取引開始直後に一時1.9%上昇した。同社の株価は過去12カ月で約5%下落している。ブルームバーグは17日、ユニリーバが食品事業の全部または一部の分離を検討する初期段階にあると報じた。
就任から1年が経つフェルナンド・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は、美容、パーソナルケア、ウェルビーイングを将来の成長の鍵と見なす考えを明確に打ち出してきた。同氏は中期的に、ユニリーバの売上高の3分の2を、石けんのダヴやスキンケアのダーマロジカなどのブランドで占めることを目指している。
成長モデルに変化
ユニリーバの食品部門の2大ブランドは、米国とブラジルで圧倒的な市場シェアを誇るマヨネーズのヘルマンズと、ダヴに次いで全体で2番目の売上高を誇るクノールだ。
バーンスタインのアナリスト、カラム・エリオット氏らの20日のリポートによると、1990ー2000年代にかけては、規模の経済が消費財グループにとって有益であり、多角化は「おおむね理にかなっていた」。だが、そのモデルは変化し、「カテゴリーをまたぐ規模の経済によるメリットは、もはや複雑さによるデメリットを上回らない」という。
アナリストらは、食品事業売却が株主にとって追い風となり、ユニリーバが成長の速い分野に注力できるようになる一方、短期的には経営陣や投資家にとって注意をそらす要因になると指摘している。
ユニリーバは過去10年間で、グローバル・スプレッド部門をはじめ、最近ではスナックブランドの「グレイズ」や代替肉メーカーの「ザ・ベジタリアン・ブッチャー」など、他の食品資産を売却してきた。また、アイスクリーム事業をマグナム・アイスクリームとして分社化し、約20%の株式を保有しているが、今後数年間で売却する計画だ。
ユニリーバやライバルのネスレのような大手食品企業は、生活費が圧迫される消費者が支出を抑制し、より安価なプライベートブランドに目を向ける中で、成長を推進しづらくなっている。減量薬の人気の高まりも脅威で、消費者は全体的な食事量を減らすか、カロリー密度の低い製品を選ぶ傾向がある。
一方、美容分野は多国籍企業にとって重要な成長市場だ。若年層から高齢層に至るまで、多段階のスキンケアやフレグランスコレクションなど、あらゆる商品に消費者が支出している。
原題:Unilever Confirms Talks on McCormick Offer for Food Business (2)(抜粋)
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