(ブルームバーグ):米物流大手フェデックスは通期の利益見通しを引き上げ、同社株は10カ月ぶりの大幅高となった。配送網の再編計画が、経済の変動が続く中でも成果を上げつつあることを示唆した。
同社は19日遅く、通期の調整後1株利益が19.30〜20.10ドルになるとの見通しを示した。従来予想の上限は19ドルだった。新たなレンジの下限でさえ、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均の18.71ドルを上回っている。
こうした強気の見通しは、イランでの戦争やエネルギー価格の高騰による経済の混乱が強まる中でも、フェデックスがそれに耐えられると見込んでいることを示している。同社は今回の混乱以前から、航空貨物のエクスプレス便と地上配送網を統合するなど、大規模な改革によって事業の強化を図ってきた。

JPモルガンのアナリスト、ブライアン・オッセンベック氏はリポートで「既存事業は、厳しい環境下にありながら、価格と利回りの伸びという特異な組み合わせを実現するとともに、執行面の改善も進んでいる」と指摘した。
フェデックスの株価は一時、7.6%上昇し、昨年5月12日以来の大幅高となった。ニューヨーク時間午前9時34分現在では3.5%高。同社株は年初から19日までに約23%上昇していた。
イランでの戦争やトランプ米大統領の関税を巡る連邦最高裁の判断が米企業全体にどのような影響を及ぼすのかを見極める手がかりとして、フェデックスの動向に注目が集まっている。同社は幅広い産業や世界中の消費者にまたがる事業を展開しているため、経済の先行指標とみなされることが多い。
フェデックスは、中東での戦争が自社の事業に直接的かつ重大な影響を及ぼすとは見込んでいない。ただし、エネルギー価格の上昇や輸送パターンの変動といった広範な影響については、「世界経済に悪影響を与えている」と証券報告書で指摘した。
ラジ・サブラマニアム最高経営責任者(CEO)は電話会議で、「需要動向は基本的に変化していない」と述べ、会計年度第4四半期に向けて同社の業績は安定していると説明した。「3月最初の2週間も、おおむね当社の想定通りで推移している」と語った。
同社はまた、貨物部門の分社化について、6月に実施する計画に変更はないと明らかにした。
予想上回る利益
フェデックスの昨年12月-2月(第3四半期)の調整後1株利益は5.25ドルと、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均の4.17ドルを上回った。売上高もウォール街の平均予想を超えた。
モルガン・スタンレーのアナリスト、ラビ・シャンカー氏はリポートで、「繁忙期の恩恵を最大限に享受した」と指摘。ただ、好調な業績は主にエクスプレス部門に集中しており、貨物部門は「市場環境の弱さで予想を下回った」とした。
中東での紛争により石油やガスの価格が上昇し、インフレの加速につながる可能性があることから、消費支出が打撃を受けるとの懸念がアナリストの間で広がっている。
フェデックスは最近、中東発着の国際小口貨物に対して需要サーチャージを導入した。追加料金は、配送コストの上昇を相殺するために配送会社が用いる手段の一つとなっている。

原題:FedEx Gains After Raising Profit Outlook on Network Overhaul (1)(抜粋)
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