「悲しいことを覚えているよりも…」 奈緒さんが受け継いだ“バトン”

高柳キャスター:
「戦争花嫁」と一括りにされた女性たちですが、それぞれに対して、さまざまな壮絶な物語が隠されています。

桂子さんは現在95歳で、今でも元気に過ごされているということですが、取材のなかで次のようなことをおっしゃっていました。

アメリカ在住 桂子・ハーンさん(95)
「私の人生は幸福でもありましたが、悲しみの生活でもありました。でも私は悲しいことを覚えているよりも、主人が愛してくれた楽しいことを記憶しながら、生涯を終わりまで歩んでいく」

奈緒さんは実際にこの言葉を取材で直接聞いて、どのようなことを感じましたか?

奈緒さん:
当時の辛いご経験も私はたくさんお聞きしましたが、最後に「楽しいことを記憶しながら…」とおっしゃっていたことが「これが平和のバトンなんだな」と改めて感じました。

誰かを憎む気持ちや恨む気持ちではなく、その辛い経験から私たちが学び、誰かを笑顔にできる気持ちや、幸せがそばにいることの尊さをしっかりと握りしめて生きていかないといけない──そう私自身も桂子さんからバトンとして受け継いだので、伝えていきたいと思います。

井上キャスター:
きっと今日本で生活している我々には想像だにできない、筆舌に尽くせないような差別や偏見があったのではないかと、想像しかできませんが、時間が経って、またその差別の形も変わっていきます。

奈緒さんはずっと、戦争のそういったことを伝えたいという気持ちをお持ちだったと思いますが、これから我々の世代ができること、やるべきこと、今感じていらっしゃることを教えてもらえますか?

奈緒さん:
まず私自身、「学べる」ということがものすごく幸せだと感じています。

世界情勢も大変ななかで、皆さん「どうやったら平和につながるんだろう」と、平和を願いながらもヒントをたくさん探していらっしゃると思います。

戦後80年を超えて81年目の今、だんだんと当事者のお話を聞く機会も減っていますが、これから戦争を一緒に学び、そして語り合える場所を私たちは選んでいけます。まだまだその希望が残されていると思うので、信じてこれからも伝え続け、皆さんで語り合っていきたいです。

今を生きる、そして戦後からすると未来を生きる自分たちだからこそ、平和の大輪を咲かせられると心から信じております。

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<プロフィール>
奈緒さん
俳優 2025年1月アメリカで取材
ドキュメンタリー映画「War Bride2 奈緒と4人の戦争花嫁」に出演