(ブルームバーグ):高市早苗首相は19日、米ホワイトハウスでトランプ大統領と首脳会談を行う。米と同盟国の間にきしみが生じているホルムズ海峡の安全確保など中東情勢への対応や、経済安全保障面などの協力で結束を確認できるかが焦点だ。
首相は現地時間18日夜、ワシントンに到着した。出発前、中東情勢に関し、日本の立場や考えを踏まえてしっかりと議論すると記者団に語った。「不安定な状況が続くと日米双方とも、それから世界各国、経済も大変になる」と指摘。経済安保にも支障が出るとし、そうしたことについての議論もしたいとも述べた。
19日には首脳会談後、夕食会に臨む。当初予定していたワーキングランチは中止し、会談を延長することが分かったと日本経済新聞が報じた。首相の今回の訪米では1日のうちに2回会食を共にする「異例の待遇」が注目されていた。
昨年10月の会談に続き親密な関係を演出できるかが焦点となる。中東情勢に関するトランプ氏の発言は目まぐるしく変化しており、今後の出方は不透明だ。
トランプ氏はホルムズ海峡の安全確保で各国に協力を求めていたが多くの国から事実上拒否されると一転して、北大西洋条約機構(NATO)加盟国や日本などの支援は必要ないと主張。米国以外の国々が同海峡の責任を担うべきだとの考えも示した。
また、ベッセント米財務長官は、FOXビジネスのインタビューで、日本には世界最高水準の掃海艇が複数あると発言。19日の首脳会談については、うまくいくだろうと語った。掃海能力に言及する形で日本に圧力をかけた。
19日の日本市場では株式が大幅反落。中東情勢の緊迫化や米国の利下げ観測後退で景気の先行き不透明感が強まった。日本銀行は同日の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定した。相場は発表後に一段と下げ、債券も下落した。円は対ドルで上昇し、午後11時20分現在、158円台前半で推移している。
日本政府はこれまで、ホルムズ海峡には法的に可能な範囲での対応を検討するとしつつ、事態の早期沈静化が最重要との立場を示してきた。イランに対しては民間施設などへの攻撃を非難し、核兵器開発は許容できないという姿勢だ。
首脳会談では中東情勢のほか、重要鉱物など経済安保分野の協力、対中戦略、対米投融資などを議論する見通し。高市氏は18日の参院予算委員会で「非常に厳しい訪米になる」とし、「刻々情勢が変わる中、国益を最大限守り、国民の暮らしも守れるように頑張る」と意気込みを語った
対米投融資に関しては、事業費10兆円規模の第2弾案件を公表し、協力をアピールすると共同通信が報じた。次世代型原発の小型モジュール炉(SMR)や天然ガス発電施設の建設などで、共同文書を発表する方向で調整しているという。
首脳会談の注目点
- イラン情勢への対応
- 南鳥島周辺海域のレアアース(希土類)開発など経済安保面での協力強化
- 対中戦略に関する意見交換、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)への関与の確認
- 米ミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」への参加
- 米国の関税措置と対米投融資での前進
(日米首脳の日程変更の報道を受け、更新しました)
--取材協力:山中英典、梅川崇、森 茂生.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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