(ブルームバーグ):米国政府がアンソロピックの最先端技術に対する外国人のアクセス停止を指示したことで、韓国政府が主導する「ソブリンAI(自国主導の人工知能)」に向けた取り組みの重要性が浮き彫りになっている。韓国の有力AIスタートアップ、アップステージのトップがこうした見方を示した。
アップステージのキム・ソンフン最高経営責任者(CEO)は16日にソウルで開いた記者説明会で、「AIはもはや、単なるサービスやツールではない。国家の戦略的資産になった」と述べた。米国や中国のように基盤的なAI技術を支配する国は、いつでもアクセスを制限できると指摘。「われわれは自前の技術をできる限り早く高度化し、可能な限り自立する必要がある」と語った。
米国政府は先週、アンソロピックに対し、外国人を対象に同社の最先端AIプラットフォームへのアクセスを無効にするよう命じた。新たなAIモデル「フェイブル5(Fable 5)」で、安全制限を回避するジェイルブレークが可能なことが判明したためだ。これを受け、カナダのカーニー首相をはじめとする各国首脳は、一握りのAIツールに依存するリスクに警鐘を鳴らした。
韓国は昨年、国家的なAIの有力企業を選定し、世界的なAI大国になるという同国の野心を加速させるため、政府支援の選抜プロジェクトを開始した。候補企業はその後、LGの研究部門であるLG・AIリサーチ、AIスタートアップのモチーフ・テクノロジーズ、携帯電話韓国最大手のSKテレコム、アップステージの4社に絞られた。各社は8月に次の評価に臨み、来年初めまでに2社が選ばれる見通しだ。
この取り組みでは、国内AI開発企業に対し、画像処理半導体(GPU)をはじめとする開発リソースを政府が支援する。外国の政府や技術プロバイダーの方針変更に左右されず、韓国が先端AIモデルの開発を独自に続けられるようにする狙いだ。
キムCEOは「ソブリンAIプロジェクトを通じてGPUリソースを支援するため昨年始まった政府主導の取り組みは、時宜を得た重要なものだとみている」と述べた。「今後の選考を通じ、われわれは国民が満足できるAIモデルと能力を提供できると期待しており、その実現に向けて懸命に取り組んでいる」と語った。
アップステージは16日、同社のAIモデルとAIエージェント、消費者向けポータルを一つのプラットフォームに統合し、一般向けにAIを普及させる事業戦略を発表。同社は最近、メッセージアプリ「カカオトーク」を運営するカカオから韓国のポータルサイト「ダウム(Daum)」を買収した。
原題:Anthropic Curbs Show Need for Sovereign AI, Upstage CEO Says(抜粋)
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