(ブルームバーグ):英銀HSBCホールディングスは、人工知能(AI)を活用する複数年の事業再編に伴い、今後数年で大幅な人員削減を検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
ジョルジュ・エレデリー最高経営責任者(CEO)がAIを積極的に導入し、ミドルオフィスおよびバックオフィスの規模を縮小する方針を打ち出したことで、それに沿った動きとなる。AI技術の導入がウォール街の人員再編を促す最初の兆候の一つと受け止められる。
関係者が匿名で語ったところでは、検討は初期段階だが、グローバルサービスセンターで顧客に直接対応しない職種などへの影響が最も大きくなる見通しだ。今回の動きに伴い、全従業員の約10%に相当する約2万人の職が影響を受ける恐れがあると関係者の1人は述べた。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の昨年のリポートによれば、人間の業務がAIに奪われる過程で、グローバル金融機関は今後3-5年の間に最大20万人のポストを削減すると見込まれる。BIが調査したIT責任者の平均的予測では、従業員数は実質3%減少する。
内外のライバルとの競争に直面するHSBCは、業績優秀者がボーナス原資のより大きな部分を分け合う一方、業績不振者は社外に機会を求めるよう強いられる「ウォール街型」報酬モデルに移行しつつある。
HSBCのパム・カウル最高財務責任者(CFO)は、18日のモルガン・スタンレーのカンファレンスで、顧客サービスセンターや顧客確認(KYC)チーム、取引監視の分野にAIを導入することで、コスト効率改善が期待できると発言していた。
関係者によると、中東でイラン戦争が勃発する前から3-5年の中期計画の一環として人員削減の検討が始まっていたが、最終決定は行われていない。HSBCの広報担当者はコメントを控えた。

エレデリー氏は2024年にトップに就任して以降、抜本的な再編を推進。数千人規模の削減を実施する一方、事業売却や他の事業との統合、閉鎖を実行した。同行の従業員数は25年末時点で約21万人だった。
関係者によれば、今回の見直しにはHSBCが後任を配置しない役職も含まれる。人員削減の一部は事業売却や撤退を通じて行われる可能性もあるという。

原題:HSBC Mulls Deep Job Cuts From Multiyear AI-Fueled Overhaul(抜粋)
(CFO発言やBIのリポート内容を追加して更新します)
--取材協力:Donal Griffin.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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