(ブルームバーグ):9日の取引で、原油価格が一時1バレル=100ドル台に上昇したが、その後上げ幅を縮小し、90ドル台で推移している。ホルムズ海峡を経由するタンカーの航行が事実上停止し、世界各地への供給が圧迫を受ける中、主要経済国が石油備蓄の共同放出など必要な対策を講じる姿勢を示した。
米ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は約4%高のバレル当たり95ドル付近で取引されている。一時は31%高まで買い進まれた。主要7カ国(G7)の財務相は9日に会合を開き、石油備蓄の放出も含めて、世界のエネルギー供給を支えるために必要な対応を講じる構えだが、具体的な調整を行う段階には至っていない。米CNBCによると、米国は3億ー4億バレルの共同放出が適切とのスタンスだ。
トランプ米大統領が早ければ9日に原油価格を抑制するための一連の選択肢を検討する見通しだと、ロイター通信が伝えると、原油価格は一段と後退した。選択肢には輸出制限や連邦税の一部免除が含まれているという。米紙ニューヨーク・ポストがトランプ氏への最近のインタビューを引用し報じたところによれば、同氏は「私にはすべてのプランがある」と述べた。
中東全域では、貯蔵施設がひっ迫している。事情に詳しい関係者によると、世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアも、石油生産の削減を開始した。同国は一部の石油出荷を紅海の輸出港に振り向けているが、ホルムズ海峡経由で輸出する分を完全に代替できるだけの輸送能力はない。
クウェートやアラブ首長国連邦(UAE)、イラクも同様に生産削減に着手した。
トランプ氏は8日深夜、原油価格の高騰について、米国と世界、その平和の対価としては「ごく小さいものだ」との認識を示し、「イランの核の脅威を破壊することが終われば」、急低下するだろうとソーシャルメディアに投稿した。
フランスのマクロン大統領は、戦争の激しい局面が過ぎれば、ホルムズ海峡を通過する船舶の護衛を行うことも可能だろうと語った。

UBSグループのアナリスト、ジョバンニ・スタウノボ氏は「ホルムズ海峡の閉鎖期間が長引くほど、生産停止に追い込まれる量は増え、需要を抑えるには大幅に高い価格が必要になる」と述べた。
金は下落。一時3%安の1オンス=約5015ドルを付けた。前週には約1カ月ぶりとなる週間の下げを記録していた。
紛争はインフレ危機への懸念を強めている。米国の小売りガソリン価格は23年以来の高水準に達し、年後半に中間選挙を控えるトランプ氏と共和党にとって大きな試練となっている。
原題:Oil Soars Above $100 as Iran War Forces Saudi Production Cuts、Gold Slumps as Oil Surge Stokes Fears of Higher Interest Rates、Oil Dips Below $100 as G7 Mulls Coordinated Stockpile Release(抜粋)
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