(ブルームバーグ):良品計画が展開する無印良品の健康・美容部門では、直近2年で国内売上高が倍増した。けん引役は化粧品などのスキンケアだ。かつては目立たない存在だったが、手ごろな価格やシンプルな商品設計などで支持を集め、新たな成長のエンジンとなっている。海外展開も強化する考えだ。
良品計画の生活雑貨部小物雑貨担当の大箸万里子部長はインタビューで、グローバル展開には「可能性があると思っている」と述べた。海外の顧客も、交流サイト(SNS)を通じて日本での評価を目にしており、現地での発売前から期待が高まるという。
同社のスキンケアは、3000円以下を中心とする価格帯に加え、分かりやすい成分表示やシンプルな処方、自然由来といった特徴を強みに、支持を広げてきた。
消費者行動の変化も後押しとなっている。成分に対する関心が一段と高まり、SNSでは処方を分析する動きが広がった。ブランド名より効果を重視する傾向が強まったことで、無印良品の商品に追い風が吹く。
同社は2028年8月期までに、営業利益を25年8月期比約5割増の1080億円へ引き上げる目標を掲げており、美容商品のグローバル展開は成長戦略の中核の一つに据えられている。国内の健康・美容部門の売上高は、前年度からの2年間で約2倍の約1000億円に達し、総売上高の約13%を占めた。
拡大する世界市場
すでに中国や韓国など東アジアでは一定の成果をあげている。日本で企画したスキンケア商品の投入などで同地域は拡大を続け、25年9-11月(第1四半期)の健康・美容部門の売上高は前年同期比30%増と、成長率で全体の伸びを上回った。
韓国メーカーなどの台頭で、日本発の化粧品は存在感が低下しており、良品計画の試みは、日本ブランドの評価を挽回するチャンスにもなりそうだ。
市場調査会社のフォーチュン・ビジネス・インサイトによると、世界の化粧品市場は34年までに平均7%成長し、6440億ドル(約100兆円)に達する見通しだ。だが、ロレアルやエスティローダーといった大手に加え、透明性をうたう「クリーンビューティー」分野を狙う新興スタートアップも参入しており、競争は激しさを増す。
変化の激しい化粧品市場はリスクも大きい。資生堂は米国で展開するクリーンビューティーブランド「ドランクエレファント」で苦戦し、25年12月期にのれん減損損失468億円を計上した。中長期で成長するには、各国に市場で受け入れられる商品を継続的に出していくことが求められそうだ。
良品計画でも各国の規制や消費者の好みの違いを踏まえ、商品展開は段階的に進めている。現時点で海外のラインアップは限定的だ。大箸氏は、アジアの嗜好は欧州や米国のニーズと異なるため、どのような商品が受け入れられるかについてさらに調査を進めていると話した。
日本では、女性中心だった来店客に加え、若年層や男性が日用品とともに化粧水や保湿剤を手に取るケースが増えてきたという。
大箸氏は、化粧品コーナーで買うには、まだ心理的なハードルがある顧客も、「ちょっと買ってみようとなって、それが広がっている」と話す。日常品の延長として選ばれる体験を海外でも再現できるかどうかも重要になりそうだ。
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