(ブルームバーグ):ライト米エネルギー長官は、世界のエネルギー供給は十分であり、戦争に伴う原油価格の上昇は市場の「恐怖プレミアム」を反映したもので長続きしないとの見方を示した。
ライト長官は、米国とイスラエルによる対イラン戦争が市場や船舶輸送を混乱させるのは一時的にとどまるとのトランプ大統領の主張に賛同し、「最悪の場合でも」影響は数カ月ではなく数週間だと述べた。
ライト氏は8日、CNNの番組に出演し、「原油は存在している。市場では多少の恐怖プレミアムが見られるが、現在、世界が原油や天然ガス不足に陥っているわけではない」と語った。
11月の中間選挙を控え、トランプ大統領はイラン攻撃を巡って政治的リスクを抱え込んでいる。攻撃はペルシャ湾の米国の同盟国に対するイランの報復を招き、ホルムズ海峡のタンカー航行を事実上停止させ、米国のガソリン価格を押し上げている。
ライト長官はCBSの番組で、「現在見られるのは、これが長期戦になるのではないかとの感情的な反応や恐怖だ。これは長期戦ではない。一時的な動きに過ぎない」と述べた。
同長官は「約24時間前に湾岸を通過したタンカーがあった」と指摘したものの、ホルムズ海峡の通航は6日連続でほぼ停止しており、過去24時間に海峡を通過したのはイラン関連のタンカーのみだった。
トランプ政権は、航行の再開を促すため200億ドル(約3兆1600億円)規模の再保険制度を発表し、米海軍による護衛も示唆している。ただ、ライト長官は、現時点で米国は対イラン空爆に注力しているとの認識を示した。
同長官は「現時点で航行は正常な状態からは程遠い。回復には時間がかかるだろうが、最悪の場合でも数週間であり、数カ月ではない」と述べた。
全米自動車協会(AAA)によると、全米平均でレギュラーガソリン価格は1週間で約16%上昇し、1ガロン=3.45ドルになった。ライト氏は米国の小売り燃料価格への影響を認めがらも、「ガソリン価格を3ドル未満に戻したいし、そう遠くないうちに再びその水準になるだろう」と述べた。
ライト長官は「イランの石油産業や天然ガス産業、エネルギー産業全体を標的にする計画はない。攻撃しているのはイスラエルで、テヘラン地域で燃料補給に使われる燃料貯蔵施設などが対象だ」と述べた。
ホワイトハウスのレビット報道官はFOXニュースの番組で、市場が直面しているのは「短期的な混乱」だと主張。「原油やガス価格はやや上昇しているが、最終的には無法なイラン政権を排除することが石油業界にとって良い結果につながる」と述べた。
原題:US Energy Chief Says ‘Fear Premium’ in Oil Markets Will Ebb (1)(抜粋)
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