トランプ米大統領は、イランの核兵器級に近い高濃縮ウランを確保するため、地上に特殊部隊を投入する選択肢を検討している。ウラン備蓄が移動された可能性への懸念が強まっていると、この件について説明を受けた外交当局者3人が明らかにした。

米国とイスラエルは昨年6月、12日間に及ぶ戦闘でイランの主要な核施設を攻撃した。イランの高濃縮ウランを巡る不透明感が高まっている背景には、国連の原子力査察官がその所在を最後に確認してから約9カ月が経過していることがある。協議が非公開だとして当局者は匿名を条件に話した。

トランプ氏は7日遅く、大統領専用機「エアフォースワン」で記者団に対し、「彼らはそれを手に入れることができていないが、いずれわれわれがやるかもしれない」と発言。「今のところ狙ってはいないが、後で実行できる選択肢だ。今すぐには行わない」と述べた。

イランの核兵器製造能力を排除することは、今回の攻撃目的の一つとされている。しかし昨年の核施設への攻撃により、濃縮ウランの所在追跡は一段と複雑になった。それが軍事計画担当者の間で現実の課題として浮上している。ただし、特殊作戦が米軍とイスラエル軍のいずれによって実施されるかは不明だ。

公には、米当局はウランの保管場所を把握しているとの自信を示してきたが、非公式には確実性はそれほど高くないとされる。最新の米イスラエルによる攻撃前の数週間、ウィーンに本部を置く国際原子力機関(IAEA)の監視員は、戦闘開始前に物質が最後に記録されたイスファハン近郊の丘陵地帯に掘られたトンネルの外で、継続的な活動を確認していた。

IAEAの評価に詳しいウィーンの外交官によると、この活動により、同施設に保管されていた高濃縮ウラン441キログラムの少なくとも一部が移動された可能性が高まった。この備蓄はさらに精製されれば約12発分の核弾頭に相当し、米国は具体的に11発分としている。イランはこのほか、より低い濃度で濃縮されたウラン8000キログラム超も保有しており、濃縮能力が回復すれば兵器級に引き上げることが可能だ。

当局者の1人によると、米国とイスラエルは高濃縮物質の所在を積極的に捜索しており、確認された場合には特殊部隊の投入を含む予備計画を策定している。

 

トランプ政権の高官は3月3日、イランの濃縮ウランを使用不能にするための選択肢は二つあると述べた。米国が領域を物理的に支配している場合には、現地に人員を送り希釈した上で安全に処分できるとした。あるいはイラン国外に搬出し、別の場所で対処することも可能だと語った。

アクシオスは先に、米国とイスラエルがイランの核物質の備蓄を確保するため地上部隊の投入を検討していると報じた。ホワイトハウスはいかなる計画案についてもコメント要請に応じなかった。

トランプ氏は7日、地上部隊については話したくないと述べたが、可能性は排除しなかった。同氏は「非常に正当な理由」が必要だとした上で、仮に投入する場合にはイランが「地上戦を遂行できないほど壊滅していなければならない」と述べた。

米中央軍は8日、イランとの戦争開始初期に負傷した米軍兵士1人が死亡したと発表した。これで今回の作戦における米側の死者は7人となった。

原題:US Mulls Idea of Special Operation to Seize Iran’s Uranium (1)(抜粋)

(関係者やトランプ氏の発言などを追加して更新します)

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