台湾の行政院長(首相)が私的な野球観戦のため、1972年の国交断絶以来初めて日本の公の場に姿を見せた。日中関係が緊張する中、異例の訪問となった。

卓栄泰行政院長は8日、台北で記者団に対し、7日に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の台湾対チェコ戦を観戦するため、東京を訪れたと明らかにした。旅費は自ら支払ったという。

卓氏は「私の唯一の予定は、現地で仲間と共に台湾代表チームを応援することだけだった」とし、他に目的はなかったと述べた。

台湾を巡っては高市早苗首相が昨年11月に、中国が台湾を攻撃した場合、集団的自衛権を行使できる存立危機事態になり得ると発言。以降、撤回を求める中国は、国民に対し日本への渡航を控えるよう注意喚起し、日本を対象とする輸出規制などの対抗措置を講じている。

台湾の行政院報道官は、訪問に関する追加情報の求めには応じなかった。中国外務省は業務時間外の取材要請に応じなかった。休日のため、日本外務省からもコメントを得られなかった。

これまで、台湾の高官による訪日は慎重に行われてきた。

2022年には、当時の頼清徳副総統が安倍晋三元首相の死去を受け、弔問のため「私人として」日本を訪問。1972年の日台断交後、日本を訪れた最も高位の台湾政府要人となった。昨年7月には台湾の林佳龍外交部長(外相)が訪日したと報じられ、中国は抗議を行った。

--取材協力:Colum Murphy、中丸諒太郎、村上さくら.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.