中東で拡大する紛争によって、世界的なエネルギーひっ迫への懸念が一段と高まっている。輸出業者は同地域からの迂回輸出ルートの確保に追われ、多数の製油所が生産削減に踏み切っている。

多くの石油タンカーがペルシャ湾から紅海へと進路を変更している。紅海では、サウジアラビアがヤンブー港で原油の積み込みを増やしている。ホルムズ海峡の航行がほぼ停止したことで、地域全体の貯蔵タンクは満杯となり、製油所は処理能力の削減を余儀なくされている。一方、ドローン攻撃によりサウジアラビアなどのプラントが影響を受け、バーレーンの石油施設も攻撃にさらされた。

紛争の激化は、アジアおよび欧州の主要顧客向けの石油・ガス供給を寸断し、エネルギー価格を急騰させている。ホルムズ海峡経由での出荷ができないことから、イラクは今週、国内最大級の油田の操業停止に着手した。ドローン攻撃を受けて巨大な液化天然ガス(LNG)輸出プラントを閉鎖したカタールは、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、衝突が続けば同地域からのエネルギー輸出が完全に停止する可能性があると指摘した。

 

一部では代替ルートが浮上している。今月ヤンブーで既に積み込みを終えた超大型タンカーは5隻に上り、他にも同海域へ進路を変更した船舶がある。ただ、サウジは原油の大部分を迂回輸送できる一方で、同地域の他の産油国では貯蔵能力が限界に近づいており、ホルムズ海峡経由の輸出を早期に再開できなければ、生産への影響は避けられない。

世界の石油供給の5分の1を担うホルムズ海峡では、商業船舶の航行が依然としてほぼ停止している。海峡内および周辺での船舶への攻撃は高い頻度で続いており、タンカーや数百万ドル規模の積み荷にとって通航は危険すぎる状況だ。

イランは中東の少なくとも5カ国に弾道ミサイルやドローンを相次いで発射。サウジアラビア、クウェート、バーレーンなど湾岸諸国が標的となった。6日には攻撃を強化するだけでなく、より高性能なミサイルを使用すると警告した。

トランプ米大統領は、価格上昇圧力を抑えるための「差し迫った行動」を示唆し、財務省はインドによるロシア産原油の購入規制を緩和した。しかし衝突が収束する兆しはなく、ゴールドマン・サックス・グループは、混乱が長期化すれば原油価格が1バレル100ドルを超えるリスクがあると指摘した。

中国政府は国内石油精製大手に対し、ガソリンと軽油の輸出を停止するよう指示した。ペルシャ湾での紛争激化により、世界有数の産油地域からの原油到着が妨げられているためだ。

原題:Iran War Sees Energy Exporters Scramble for Routes Out of Gulf

(抜粋)

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