イラン情勢を受けて、原油相場は2022年以来最大の週間上昇率を記録する勢いだ。エネルギー市場には混乱が広がり、生産者や輸入業者、海運会社が影響への対応に追われている。

北海ブレント原油は週初来で15%上昇。ただ、トランプ米政権が価格上昇圧力を抑える措置をとる意向を示したことで、日本時間6日午前は1バレル=84ドル付近で取引されている。ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は79ドル付近での推移。米政権は、ロシア産原油の一部をインドに販売することを認める一般ライセンスを発出した。

イランのアラグチ外相は米NBCニュースに対し、イランは停戦を求めておらず、交渉する意図もないと述べた。米国による地上侵攻に備えているという。

イスラエルはテヘランへの空爆を継続している。一方、トランプ氏はアクシオスに対し、暗殺されたハメネイ師の後継者選定に自らが関与すべきだとの考えを示した。

2月28日の攻撃開始以来、原油市場は戦争に振り回されてきた。ホルムズ海峡を通過する船舶はほぼ停止し、世界市場向けの供給が寸断された。産油国は生産を停止し、製油所やタンカーも攻撃を受けた。

世界の石油輸送量の約5分の1は、ホルムズ海峡を通過してきた。ゴールドマン・サックス・グループは、ホルムズ海峡が長期にわたり閉鎖された場合、価格が大幅に上昇する可能性があると警告した。ただし、現時点の基本シナリオでは、輸送は徐々に回復し、第2四半期の先物平均は1バレル=76ドルになると見込んでいる。

あと5週間にわたり海峡を通過する石油の流れが極めて低水準にとどまった場合には「ブレント価格が1バレル=100ドルの水準を突破する可能性はある」と、ゴールドマンでグローバル商品調査部門の共同責任者を務めるサマンサ・ダート氏はブルームバーグテレビジョンで述べた。

トランプ米大統領はイラン国民に対し、自国を取り戻すよう呼びかけた

バーガム米内務長官は、原油やガソリン価格の急騰に対処するため、政権が幅広い選択肢を検討していると述べた。「あらゆる選択肢を検討している」として、即効性のある措置に加え、より長期的で複雑な選択肢も含まれていると説明した。

対応策としては、国家の緊急石油備蓄を放出する案があり、効果を最大化するため他国と協調して取り崩す可能性も含まれる。ただ、政権はこれまでのところ、地下の巨大な貯蔵施設に保管されている戦略石油備蓄(SPR)の取り崩しには踏み切っていない。

アジアでは主要経済国にひずみの兆しが強まっている。中国は国内需要を優先する取り組みの一環として、主要製油会社に対し軽油とガソリンの輸出停止を指示した。日本では製油会社が政府に対し、国家備蓄の放出を要請した。

紛争が拡大し中東からの供給が制約される中、サウジアラビアはアジア向け主要油種の4月価格を、2022年8月以来の大幅な引き上げとした。また、ホルムズ海峡を回避するため、数百万バレルを紅海沿岸の港湾へ振り向けている。

足元の需給逼迫を示す兆候として、ブレント原油のプロンプトスプレッド(直近2限月間の価格差)は5日に1バレル当たり4ドル超へ拡大し、バックワーデーション(期近の価格が期先の価格よりも高い状態)と呼ばれる強気の形状を示した。1カ月前は58セントにとどまっていた。

原題:Oil Heads for Biggest Weekly Surge Since 2022 on Middle East War(抜粋)

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