イラン情勢 賃上げに影響のおそれ

小川彩佳キャスター:
賃金という話もありましたが、過去4年、マイナス賃金が続いてきて、ようやく大企業などから賃上げの流れが出てきていた中で、どう影響していくのかも気がかりですね。

藤森祥平キャスター:
来週が春闘回答日です。既に大企業がこのような満額回答を見せています。

▼味の素 6%増(2万4000円)
▼すかいらーく 5.28%増(2万円あまり)
▼イオンリテール パート時給 8.38%増(100円あまり)

23ジャーナリスト 片山薫:
物価高を超える賃上げも一部は成立していると思いますが、夏のボーナスや冬のボーナスがどうなるかはまだ分かりません。

やはり厳しいのが中小企業だと思います。大企業の賃上げ交渉が終わってから初めて賃上げ交渉しますが、4月・5月とこのまま情勢が悪いと、防衛的になる可能性はあります。本来は6%の賃上げをしなくてはいけないのですが、そこに到達するかが不安視されています。

藤森祥平キャスター:
賃上げムードが一気に下がるということですね。

23ジャーナリスト 片山薫:
先ほどもイラクの領海で石油タンカーが攻撃されたという情報や、トヨタが中東への車の輸出を減らしていくという情報も入ってきています。

小川彩佳キャスター:
既にそのような影響が出てきているんですね。

23ジャーナリスト 片山薫:
そうすると中小企業にとって、ダメージになるかもしれないと見られています。

小川彩佳キャスター:
心理的に抑え込むことが生まれてしまうかもしれないと。

藤森祥平キャスター:
そして今、円安がさらに進んでいて158円台まで見えてきています。物価高対策とはどう絡んでいくのでしょうか。

23ジャーナリスト 片山薫:
本来であれば、いろいろなものの値段が上がるのなら、物価高対策をしてほしいという声は大きくなると思います。ただ、去年行ったばかりで、ちょうどいま減税や一部補助金が出ているタイミングなので、次の手を打つのは結構厳しいのではないかなと思います。

今は財政的にも厳しいので、仮にさらに財政出動をしてもまた円安が進んでしまいます。円安が進むとその分、原油高がかさ増しになります。ある意味、円安の悪いスパイラルに陥ってしまうので、なかなか打ちにくいのではないかという気がします。

藤森祥平キャスター:
3日時点で高市総理は「今直ちに電気ガス代の支援延長を判断するという段階にはない」という考えに留めていますが、いつまでこのような状況でいられるのでしょうか。

東京大学 斎藤幸平 准教授:
そもそも「責任ある積極財政」と言っていたときには、このようなことが起きると想定していなかったと思うので、少し冷や汗だと思います。

中小企業もそうですし、パートや保育士なども、問題になっている中でも賃金がなかなか上がっていません。また、農家の人たちは供給力を上げて私達の生活に必要なものを届けてくれないといけないですが、なかなか賃金がついてきていない可能性があります。

そういうところにも踏み込んだ改革ができるかどうかが、高市総理の最初の経済政策の成果の試金石になるのではないかなと考えています。

小川彩佳キャスター:
実際に打つ手はあるのでしょうか?

23ジャーナリスト 片山薫:
消費減税などになってくると思います。ただ、やはり財源の問題があるので、なかなか簡単な答えはないのではないかと思います。

藤森祥平キャスター:
全て複雑に、厳しい状況に絡んでいっている印象です。

小川彩佳キャスター:
既にある混沌にイラン情勢が追い打ちをかけているということですね。

藤森祥平キャスター:
今度行われる日米首脳会談で、高市総理がどのような姿勢を示すかですね。

東京大学 斎藤幸平 准教授:
アメリカに少しはガツンと言ってほしいですけどね。

==========
<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学 准教授
専門は経済思想・社会思想
著書『人新世の「資本論」』