(ブルームバーグ):米国からアジアに原油を運ぶ超大型石油タンカーの運賃が過去最高水準に達し、契約が成立しないケースも出始めた。
米軍とイスラエル軍によるイラン攻撃と、中東各地を標的とするイランの報復拡大を受け、原油輸送ルートの要衝であるホルムズ海峡は実質的な封鎖状態となった。ペルシャ湾からの供給が途絶えたことで、アジアの買い手は米国産原油に目を向けている。
ロンドンのバルチック海運取引所のデータによると、米国のメキシコ湾岸から中国に200万バレルの原油を輸送する超大型タンカーのチャーター費用は、4日時点で2900万ドル(約45億40000万円)を突破し、過去最高を記録した。2週間前から約2倍に跳ね上がった。
1バレル当たりの運賃に換算すると、約14.50ドルに相当する。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は、米国時間4日の取引で1バレル=75ドル近くで取引されたが、約20%を輸送コストが占める計算になる。
中東での衝突拡大が世界のエネルギー業界を揺さぶり、原油価格の高騰と海運輸送の混乱、インフレ高進の不安といった影響が表面化した。WTI先物と国際原油価格の指標、ICEフューチャーズ・ヨーロッパの北海原油代表油種ブレント先物の価格は今週急騰した。
タンカーズ・インターナショナルのデータによれば、市場で今週伝えられた米メキシコ湾岸積み超大型タンカーの予約が、過去24時間で幾つかキャンセルされ始めた。
輸送コストに詳しい海運ブローカーによれば、タイの精製業者PTTは約2900万ドルで仮予約したが、タンカーズ・インターナショナルのデータが示す通り、契約は成立しなかった。
原題:US-to-Asia Oil Shipment Costs Hit a Record, Some Deals Falter(抜粋)
--取材協力:Joe Carroll、Lucia Kassai.
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