ニデック株が4日、前日比大幅下落で取引を開始。その後、上昇に転じて一時前日比19%高の2698円とブルームバーグの記録に残る1998年9月以降で最大の日中上昇率となった。

アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは、値動きからは、「空売りしていた人たちの買い戻しが入っている」とみる。東証による上場廃止への判断がはっきりしない中、第三者委の報告書公表というイベントが通過してショートカバーが入っているのではないかと述べた。

不正会計については、どの程度の範囲があるのか推測がつかないという中、損失額の数字自体が開示されたこと自体はプラスだと述べた。

ニデックの不正会計問題を調査していた第三者委は3日に調査報告書や会計処理の見通しを発表。内容についてはアナリストからネガティブサプライズとの声が上がっていたが、足元の受注水準については評価する向きもあった。

シティグループ証券のアナリスト、内藤貴之氏は英文リポートで、第三者委による調査は未完了で、過去の利益の修正など不確実性が残っており、ネガティブ要因が出尽くしている訳ではない可能性があると言及。ニデックが上場維持を目指す中、10月の内部管理体制確認書の提出に向けて、第三者委員会の最終報告書が悪材料を全て網羅しているかどうかが焦点との見方を示した。

内藤氏はその一方で、事業セグメント別開示は詳細な内容ではなかったと前置きした上で、2025年10-12月期の売上高は前年同期比3.9%増の6777億円と同社予想とほぼ一致した上、受注水準も堅調に見えると言及。岸田光哉社長の続投意向は株式市場に一定の安心感を与えるとも述べた。

みずほ証券の聲高健吾クレジットアナリストらはニデックの不正会計疑惑を巡る第三者委員会の調査報告書を受け、ガバナンス面ではネガティブだが、減損計上後も財務バランスは健全な水準を維持でき、信用力への影響は小さいとの見方を4日付リポートで示した。

信頼回復

不正会計の調査に伴い二デックが試算したところ、減損の検討対象となるのれんや固定資産の額が約2500億円規模になると判明した。計上額や計上時期は未定としている。

3日に公表された第三者委の調査報告書では、多くの拠点で多数の不正会計が行われていたと指摘。同委が暫定的に算定した2025年4-6月期(第1四半期)時点の純資産への不正会計の影響額は1397億円だった。調査は続いており、ほかにも不正会計が判明する可能性があるという。

SMBC日興証券アナリストの桂竜輔氏らは3日付のリポートで、株式市場は25年11月に二デックが発表した約877億円の減損などの会計処理修正で悪材料は出尽くしと期待していた中、調査報告書はネガティブサプライズな内容だと指摘した。

第三者委は、ニデックが投資家や市場からの信頼を失っている原因は、同社の真の姿・実力が見えない点だと指摘。ニデックの正しい姿を正々堂々と示すことこそが、信頼回復の第一歩だとも述べた。

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