4日の日本市場で株式相場が大幅続落。日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)は共に1カ月ぶりの安値で終え、衆院選後の上昇を全て帳消しにした。中東情勢の緊迫化や原油高長期化への懸念からリスク回避の動きが広がった。

円相場は片山さつき財務相が日米財務相声明には為替介入も選択肢に含まれるなどと発言したことを受け、対ドルで一時157円台前半に上昇した。債券は先物や中長期債が買われた。

日経平均は一時下げ幅が2600円を超え、取引時間中としてほぼ1カ月ぶりに節目の5万4000円を割り込んだ。半導体や人工知能(AI)関連株に売りが膨らんだほか、商社や機械といった海外景気敏感株、金融や建設など東京証券取引所の全33業種が下げた。

ガマ・アセット・マネジメントのグローバル・マクロ・ポートフォリオ・マネジャーのラジーブ・デメロ氏は、「投資家は大きな含み益のあるポジションで利益確定に動いている」と述べ、「国債などの安全資産がポートフォリオの支えになっていないため、リスク削減が重要になっている」と指摘した。日本株が安定するには中東情勢の沈静化が必要との見方を示した。

中東ではイスラエル軍が3日、イラン指導部が利用するテヘランの建物を空爆したと発表。カタールとイラクは主要エネルギー施設での生産を停止した。米国のトランプ大統領はホルムズ海峡を航行する石油タンカーなどに保険と海軍の護衛を提供すると表明したが、同政権が戦闘の出口戦略をどう描いているのかは依然として不透明だ。

株式

日経平均とTOPIXは共に3月に入り3営業日続落。下落率はいずれも8%を超え、世界の主要株価指数の騰落率では韓国やタイなどに次ぐ下げとなった。資源を持たない国への売り圧力の強さが顕著だ。

株価変動率の市場予想を示す日経平均ボラティリティー指数(日経平均VI)は一時60台と昨年4月9日以来の高水準となった。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは、「最近上昇していた銘柄を中心に投げ売りされている」と話す。日経平均は高市早苗首相の就任後につけた昨年高値に近い5万2000円台が当面の下値めどになると予想した。

楽天証券経済研究所の窪田真之チーフストラテジストは、「衆院選後の上昇ピッチの速さやAI関連株の割高感などが意識されていたところに、中東リスクが高まったことで売り圧力が大きくなっている」と指摘。一方、ホルムズ海峡封鎖はイラン側も原油輸出ができなくなるため長引くことは考えにくいとし、AI関連株などに値ごろ感が出てくれば、相場全体も底入れに向かうとの見方を示した。

為替

円相場は片山財務相が日米財務相声明には為替介入も選択肢に含まれると発言したことを受け、対ドルで一時157円台前半に上昇した。

みずほ銀行国際為替部為替スポットチームの南英明ディレクターは、「いったんはけん制発言に素直に反応した」ものの、前日から市場はドル買いに傾いており、ドル・円は底堅いと述べた。

りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、ドルが強く、原油の供給不安に弱い国の通貨は売られやすいと説明。株安を受けた円買いもみられるが、基調としてはじりじりと円安が進みやすいとの見方を示した。

債券

債券相場は先物や中長期債が上昇。全国信用協同組合連合会資金運用部の山下周チーフエコノミストは、株の大幅下落や中東情勢の不透明感を背景に「日本銀行の利上げパスが見えてこない」とし、いったん買い戻しが入ったと述べた。

あすは30年債入札が予定されている。三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは超長期債の地合いが改善している点は好材料と指摘。一方、ボラティリティーの高さに加え、高市首相が年度内の予算成立を急ぐ構えについては「丁寧な財政運営とは言いにくい」と述べ、懸念を示した。

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この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

--取材協力:我妻綾、日高正裕、長谷川敏郎、横山桃花.

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