(ブルームバーグ):ソフトバンクグループ傘下のPayPay(ペイペイ)が、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)と米国で計画する新規株式公開(IPO)は、最大11億ドル(約1730億円)規模を目指していることが分かった。日本企業の米証券取引所への上場としては、過去最大級になる見通しだ。
米証券取引委員会(SEC)への2日の提出書類によれば、米国預託株式(ADS)を1ADS当たり17-20ドルの価格帯で、PayPayが3110万ADS、SVF2が2390万ADS、合計5500万ADSを市場に提供する。1ADSは普通株1株に相当する。
価格帯の上限でIPOを実施した場合、記載された発行済み株式数に基づくPayPayの時価総額は約134億ドル(約2兆1000億円)に達する見込み。PayPayは100億ドルを上回る評価額、ソフトバンクGの孫正義会長兼社長は最大200億ドルの評価額を目指していた。
今回のIPOは、ソフトバンクGが人工知能(AI)分野への新たな投資資金確保に向け、さらに多くの資産を現金化する動きの一環と言える。
提出書類によると、アブダビ投資庁(ADIA)とカタール投資庁(QIA)傘下の部門、米決済処理ネットワーク大手ビザの子会社が、合計で最大2億2000万ドル相当のADSを取得する合意が成立した。
米軍とイスラエル軍によるイランへの大規模攻撃で市場が動揺し、エネルギー価格と債券利回りが急上昇する状況で、今回の届け出が提出された。計画がかなり進んでいるケースでは、IPOを強行する動きも見られる。
一方、関係者によれば、PayPayはIPOに向けた正式なマーケティング開始を遅らせた。中東での武力衝突に伴う不透明感が背景にあるという。
PayPayの昨年12月までの9カ月の売上高は2785億円、利益は1033億円。前年同期の売上高2204億円、利益289億6000万円と比べ大幅に増加した。

PayPayは2018年、SVFが支援するインドの電子決済サービス会社Paytm(ペイティーエム)との合弁事業として誕生した。サービス開始直後からの大規模なマーケティングやソフトバンクによる日本全国の加盟店獲得支援が奏功し、楽天グループの「楽天ペイ」を上回る勢いでユーザーを増やした。昨年12月時点で、PayPayのユーザー数は7200万人を突破した。
ソフトバンクGとソフトバンクが過半数を保有するPayPayは、海外進出を加速させている。昨年は韓国の200万余りの店舗で日本人顧客向けのサービスを開始。今年2月にはビザとの提携を発表し、米国での事業機会を探っている。
ゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェース、みずほフィナンシャルグループ、モルガン・・スタンレーがIPOの主幹事を務める。ナスダック・グローバル・セレクト・マーケットに「 PAYP」の銘柄コードで上場される予定だ。
原題:PayPay, SoftBank Seek $1.1 Billion in Payments Firm’s US IPO (1)(抜粋)
(PayPayを巡る背景などを追加して更新します)
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