トランプ政権は、米連邦最高裁判所が無効と判断した関税の還付を巡る訴訟について、手続きを先送りする方針を示した。法廷闘争は新たな局面に入ったが、波乱含みの幕開けとなった。

司法省が27日遅くに提出した資料によると、同省は、還付問題を扱う米国際貿易裁判所での訴訟再開について、最長4カ月の猶予を求めている。同省の弁護士らは、主要な訴訟の一つを担当する企業側弁護士が、速やかな訴訟再開を求めていることを批判した。

同省は「今後の複雑さを考慮すれば、拙速な対応ではなく、慎重な手順を踏むのが妥当だ」と主張している。

最高裁での敗訴を受けて還付手続きが必要になることは認めた形だが、「今後の手続きには時間を要する」と警告。解決までに数年を要した大規模還付の事例を挙げた。

ただ今回の文書では、全ての輸入業者に対し全額を還付すると確約はしていない。

司法省側は、手続きの遅れが企業の不利益にはならないと主張。「金銭的損失は、適切な利息を加えた支払いで補填(ほてん)可能な典型的な損害だ」と説明した。

司法省は昨年、訴訟継続中も関税徴収の継続を認めるよう国際貿易裁判所の判事に求め、認められた。その際、原告側が勝訴すれば「利息を含めた還付金が確実に支払われる」と説明していた。

ブルームバーグ・エコノミクスの分析によると、最高裁判決までに、輸入業者が支払った関税は約1700億ドル(約26兆5000億円)に上る。

最高裁は20日、トランプ大統領が打ち出した関税措置について効力を認めないとの判断を下したが、還付に関しては判断を示さず、国際貿易裁判所に差し戻されることになった。しかし、最高裁と連邦高裁が正式に審理を終了していないため、次の段階の手続きは停滞している。

司法省は連邦高裁に対し、最長32日間かかる最高裁の判決確定まで待機するよう要請。「政治部門が選択肢を検討する機会を設けるべきだ」と主張し、その後さらに90日間の猶予を求めている。

トランプ氏は最高裁判決の直後に記者団に対し、「訴訟になるだろう」と述べ、還付を争う姿勢を示唆していた。

これまでに2000件以上の関税訴訟が起こされており、その大半は昨年11月の最高裁審理後に国際貿易裁判所に提起された。同裁判所は最高裁の判断が出るまで、全ての訴訟手続きを停止した。

原題:Trump Administration Seeks Delay in Tariff Refund Fight (2)(抜粋)

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