1月の米生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回る伸びとなった。サービス価格の上昇が押し上げ要因で、インフレ圧力の根強さを示唆した。

PPIの前月比上昇率は9月以来の大きさ。 昨年12月分は0.4%上昇に修正された。

コア指数の前月比上昇率も、昨年7月以来の大きさとなった。

PPIの堅調な伸びが数カ月連続で続いていることは、インフレ抑制に向けた進展が鈍いことを改めて裏付けている。輸入原材料の関税引き上げにより、生産者の多くが利幅を守るために価格を引き上げるか、他のコスト削減策を模索するよう促されている。

S&P500種株価指数は下落して開始。米国債利回りはPPI統計の発表後も低下している。

PPIデータの一部は、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数の算出に使われるため注目されている。

PCE価格指数の算出に用いられる項目のうち、ポートフォリオ運用手数料や航空運賃、医療サービス費は大きく上昇した。米商務省経済分析局(BEA)は3月13日に1月のPCE価格指数を含む個人所得・支出統計を公表する予定。

PPI統計の発表を受けて、一部のエコノミストはコアPCE価格指数の上昇率予想を前月比0.5%へと引き上げた。実際にそうなれば、数年ぶりの高い伸びとなる。ほかのエコノミストは、強めながらもより穏やかな上昇を見込んでいる。

ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は「今回の統計は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が労働市場のリスクから物価安定に軸足を移すことを裏付けるものだ。当社では労働市場にリスクはないとみているが、市場の一部は雇用者数の伸び鈍化になお固執している」とリポートで指摘した。

FRBの2%インフレ目標に向けた進展は緩やかにとどまり、足元では労働市場の安定化を示す兆候もみられる。これに加え、FRB当局者は昨年末まで3会合連続で利下げを実施しており、追加利下げを急ぐ必要性は乏しい。

サービス価格

サービス価格は7月以来の大幅な伸びとなった。背景には、データがさかのぼれる2009年以降でマージンが最大の伸びを記録したことがある。企業が年初に関税関連コストの上昇分を企業が転嫁した可能性が高い。

専門・商業機器や化学品の卸売業者のほか、衣料品やヘルス・美容関連の小売業者でマージンが拡大した。

ガソリンや食品価格の大幅下落を受けて、財価格は低下した。一方、食品とエネルギーを除く財価格の上昇率は2022年初頭以降で目立って高い伸びとなった。エンジンや通信機器、工作機械、各種金属といった項目が上昇した。

食品、エネルギー、貿易サービスを除いたより変動の小さいPPIは、3カ月連続で前月比0.3%上昇と、比較的穏やかな伸びとなった。

関税が生産者物価に上昇圧力をかける中、企業は今後数カ月にコスト増加分を消費者に転嫁する可能性がある。今月初めに発表された1月の米消費者物価指数(CPI)統計では、上昇率が予想を下回り緩やかな伸びにとどまった。

生産過程における比較的早い段階での物価を反映する中間財の価格は2カ月連続で横ばいとなった。ただし、食品とエネルギーを除くと強めの伸びとなった。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Producer Prices Rise More Than Expected on Services (3)(抜粋)

(日本語のグラフィックを追加して更新します)

--取材協力:Chris Middleton.

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