(ブルームバーグ):トランプ一族が出資する暗号資産(仮想通貨)マイニング(採掘)会社、アメリカン・ビットコインは、暗号資産ブームに乗ってナスダックに華々しく上場したものの、最近の厳しい業界の落ち込みに巻き込まれている。
アメリカン・ビットコインは26日、昨年10-12月(第4四半期)の純損益が5900万ドル(約92億円)の赤字だったと明らかにした。トランプ大統領に関連するデジタル資産取引全般が失速する中で同社の株式は激しく売られ、昨年9月に付けた高値から時価総額は約90%減少した。
主要マイニング会社はほぼ全て人工知能(AI)分野にかじを切ったが、アメリカン・ビットコインは共同創業者でトランプ大統領次男のエリック・トランプ氏の強い意向により、採掘と保有に特化した戦略を強化した。ビットコインが12万6000ドルを突破していた際には先見の明があったかのように見えたが、その後6万ドル台にまで急落し、不安定さを増している。同社は保有ビットコインの価値を引き下げ、通年で2億2700万ドルの評価損を計上したが、それは戦略が裏目に出たことによるコストだ。
コインシェアーズのデジタル資産アナリスト、マシュー・キンメル氏は「ビットコインが高値から大きく下落する中で、保有継続の戦略は損失を拡大させる可能性がある」と指摘。「保有資産の評価損は、実際の業績に表れる前から投資家はバランスシートへの圧迫を織り込み始める可能性がある」と述べた。

トランプ一族が抱える暗号資産の中でも、アメリカン・ビットコインは落ち込みが最も激しい部類に入る。ウォール街幹部をトランプ大統領の私邸「マールアラーゴ」に集めた今月の会合を主催した、分散型金融プラットフォームのワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLF)は、そのトークンの価値が昨年9月の発行以来およそ65%下落した。
大統領自身のミームコインはそれを上回る下げで、昨年3月の取引開始以降の下落率は72%に達した。
今のところアメリカン・ビットコインの回復見通しは、ほぼ同社の力の及ばない要因に左右される。採掘した全てのビットコインを継続保有すると約束している同社のモデルは、ビットコインが上昇を再開しない限り機能しない。
一方で、暗号資産業界は速やかに別の方向へと動いており、MARAホールディングスやライオット・プラットフォームズなどの大手採掘会社は保有インフラの一部をAI用に転換し始めた。
エリック・トランプ氏は19日のインタビューで、従来型の暗号資産交換業者の幹部職に関心はあるかとたずねられ、「自分はアメリカン・ビットコインとWLFに集中している。現代のデジタル金融と現実世界の実物資産を文字通り融合させたい」と語った。
原題:Bitcoin Miner Tied to Trump Family Pummeled by Crypto Crash(抜粋)
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