オンライン決済サービス大手の米ペイパル・ホールディングスは、株価下落で時価総額がおよそ半減したことを受けて、買収ターゲットとして複数の候補先から関心を集めている。事情に詳しい関係者が明らかにした。

同社は買い手候補からの打診を受け、銀行と協議を重ねているという。非公開情報だとして匿名を条件に語った関係者によると、少なくとも大手競合1社がペイパル全体の買収を検討しているほか、複数の買い手候補が一部資産のみの取得に関心を示している。

買い手の関心はなお初期段階にあり、取引に至らない可能性もあると関係者は注意を促した。ペイパルの広報担当者はコメントを控えた。

1990年代後半に設立されたペイパルは、デジタル決済分野の先駆者だった。だが、現在では伸び悩み、代替の決済手段に顧客が流れる中で苦境に立たされている。

同社株は過去12カ月に約46%下落しており、時価総額は約384億ドルに減少した。

取締役会会長のエンリケ・ロレス氏は、3月1日にペイパルの社長兼最高経営責任者(CEO)に就任する予定だ。アップルペイやグーグルペイといった競合に市場シェアを奪われ、決済技術の近代化にも失敗したペイパルの立て直しを担う。

前CEOのアレックス・クリス氏は、経営再建が十分な成果を上げられなかったとして今月初めに解任された。同社が発表した10-12月期(第4四半期)決算は、決済総額の伸び鈍化が続く中、利益と売上高がいずれもアナリスト予想を下回った。

みずほセキュリティーズのアナリストは、ペイパルについて「世界的に認知度の高い4大決済ネットワークの一角であることを踏まえると、著しく割安だ」とリポートで指摘。同社の年間取扱高は約2兆ドルに上り、ベンモを通じて「米国で最も有力な個人間送金(P2P)ネットワーク」を有していると述べた。

KBWのアナリストはペイパルのネットワーク資産は希少で戦略的価値が高いと評価。「(ユーザーに代わって人工知能が購買の判断を行う)エージェンティック・コマースの分野でより大きな役割を果たそうとしている」企業にとっては、とりわけ重要性が高い可能性があるとリポートで指摘した。

原題:PayPal Attracts Takeover Interest After Stock Slump (1)(抜粋)

(最終2段落にアナリストのコメントを追加して更新します)

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