(ブルームバーグ):米連邦最高裁は20日、トランプ大統領が打ち出した大規模な関税措置について効力を認めないとの判断を下した。トランプ氏にとっては看板政策の根拠が否定された形で、政権復帰後、最大の法的敗北となった。
最高裁は、トランプ氏が1977年国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて各国・地域に関税を課したことや、合成麻薬フェンタニルの米国流入対策として輸入関税を発動したことは大統領権限の逸脱に当たると判断した。判決は6対3だった。
輸入業者がどの程度の税還付を受けられるかについては判断を示さず、下級審に委ねた。還付が全面的に認められた場合は総額で最大1700億ドル(約26兆3000億円)に上り、これらの関税に伴う歳入の半分余りとなり得る。
ホワイトハウスはこれまでに、最高裁がIEEPAに基づく関税措置を認めなかった場合は、速やかに他の法的手段に置き換えると表明している。ただ、その場合は手続きがより煩雑になる、あるいは適用範囲が狭まることが予想される。
トランプ氏は最高裁の判断について「恥ずべきことだ」と述べた。CNNの記者がXに投稿した。ホワイトハウスで開かれた朝食会で発言し、代替策はあるとも語ったという。
最高裁判断が伝わった後、米株式相場は上昇。一方、米国債相場は税収が失われる可能性が意識されて下落(利回り上昇)に転じた。
ドル指数は下落。他国・地域にとっては圧力が和らぐとの見方が背景にある。ドルは対円で下げに転じ、一時154円70銭台まで売られた。
今回の判断を受け、米国の平均実効関税率は現状より半分余り低くなる可能性がある。ブルームバーグ・エコノミクスはトランプ氏に不利な判断が下された場合、同税率は13.6%から6.5%に低下し、昨年3月以来の低水準になるとの予測を示していた。
最高裁は多数意見で、IEEPAは関税導入を認めた法律ではないと表明。同法は国家安全保障や外交政策、経済上の緊急事態に対処するための幅広い権限を大統領に与えているが、関税や税については明示していないと指摘した。
最高裁のロバーツ長官は「議会が関税を課す権限を付与する場合は、明確かつ慎重な制約の下で行う」とし、「今回はそのいずれも満たしていない」と多数意見に記した。
多数派にはロバーツ長官と3人のリベラル派判事のほか、トランプ氏が指名したゴーサッチ判事とバレット判事も加わった。一方、カバノー、トーマス、アリート各判事は無効との判断に反対した。
カバノー判事は税還付手続きについて、「口頭弁論でも認められた通り『混乱』を招く公算が大きい」と表明した。
原題:Trump’s Global Tariffs Struck Down by US Supreme Court (2)、Trump Calls Supreme Court Tariff Ruling a ‘Disgrace,’ CNN Says(抜粋)
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