日本政府観光局(JNTO)は18日、1月の訪日外客数が前年同月比4.9%減の359万7500人だったと発表した。新型コロナウイルス禍の水際対策が全面的に解除された2023年4月以降で初めて前年同月比でマイナスに転じ、急成長してきたインバウンド市場に変化の兆しが現れた。

大阪を訪れている外国人観光客らの様子

昨年11月に中国政府が訪日自粛を要請したことを背景に、中国からの訪日客は前年同月比61%減の38万5300人と大きく落ち込んだ。加えて、昨年は旧正月(春節)が1月下旬に始まり、中国からの観光客が急増していた反動もあり、今年1月の減少幅が大きくなった。

ソニーフィナンシャルグループの宮嶋貴之シニアエコノミストは、日中関係の悪化に加えて、春節の期ずれで前年のハードルが高いことの影響が大きいと指摘。台湾や韓国など他の地域は堅調で、「全体で前年割れは今月限りで、基調が大きく揺らいでいるという印象はない」と話す。

今後は、中国からの訪日需要が高まる春節(2月15-23日)への影響が注目される。宿泊施設向けの予約システムを扱うtripla(トリプラ)によると、1月末時点で、春節期間中に日本への宿泊を予約した中国人顧客のキャンセル率は約54%と、前年同期に比べて約15ポイント上昇した。

百貨店売り上げにも影響は出てきている。三越伊勢丹ホールディングスによれば、2月1-15日の免税売上高は前年同期比約34%減と大幅に減少した。J.フロントリテイリングも同27%減だった。

SOMPOインスティチュート・プラスの小池理人上級研究員は、訪日観光客の先行きは伸び悩むと見る。25年程度の消費単価を前提に試算すると、春節期間における経済損失は485億円程度に及ぶと指摘。JTBも中国や台湾からの需要減により、26年の訪日客が前年比3%減の4140万人にとどまると予想している。

一方で、中国や香港からの客数減少は響いたものの、ほかのアジアや欧米からの訪日客数は依然として増えている。特に韓国からの観光客の伸びが大きく、前年同月比22%増の117万6000人と、全ての国や地域を見ても単月で110万人を超えたのは初めて。訪日旅行人気に加えて、増便などによる航空座席数の増加が寄与したという。

訪日外客数が前年同月を割り込んだのは、22年1月以来4年ぶり。当時は新型コロナウイルスの変異株がまん延し、訪日街客数は1万7800人にとどまっていた。

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