(ブルームバーグ):日本経済は昨年10-12月期に2四半期ぶりのプラス成長となったものの、市場予想を下回る伸びにとどまった。今回の結果は、高市早苗政権の積極財政路線を後押ししそうだ。
内閣府が16日発表した実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率0.2%増、前期比では0.1%増だった。市場予想はそれぞれ1.6%増、0.4%増だった。
個人消費は前期比0.1%増と7期連続のプラス。設備投資は0.2%増と2期ぶりのプラスとなった。一方、輸出は0.3%減で、輸出から輸入(0.3%減)を差し引いた外需寄与度はプラス0.0%だった。前期はマイナス0.3%だった。
4月の建築基準法・省エネ法改正前の駆け込み着工急増の反動により、前期に大幅減少した住宅投資は4.8%増と2期ぶりのプラス。公共投資は1.3%減と押し下げ方向に寄与した。

物価高や米国の関税措置、日中関係悪化の影響を受けつつも、日本経済はプラス成長を確保したが、けん引役不在で勢いは乏しい。衆院選での圧勝で政権基盤を強化した高市首相の積極財政に一段と弾みがつく可能性がある。
ブルームバーグエコノミクスの木村太郎シニアエコノミストは、「変動の大きい在庫や公共投資の減少が低調な結果につながった。衆院選で大勝した高市首相は財政出動を一段と拡大する可能性が高い」と指摘した。予想外に弱い持ち直しは一時的とみられ、日本銀行の金融政策スタンスに大きな変更はないだろうとの見方も示した。
城内実経済財政担当相はGDP発表後の談話で、景気は緩やかな回復が続いていると評価。先行きは雇用・所得環境の改善や政策効果が緩やかな回復を支えることが期待されるとした。政府としては、危機管理投資と成長投資を進めるほか、雇用と所得を増やし、潜在成長率を引き上げ、強い経済を実現すると述べた。
S&Pグローバルマーケットインテリジェンス田口はるみ主席エコノミストは、政権が掲げる危機管理投資や成長投資について、成長率へのプラス効果を発揮するまでには「かなり時間がかかる」。生産性向上が期待されるのは、2、3年の中期的な見通しになるとの見方を示した。

持続的な成長に欠かせないのが、GDPの過半を占める個人消費の回復だ。実質賃金のマイナス圏での推移が続く中、7期連続のプラスでも力強さは乏しい。今春闘に向けて政労使そろって実質賃金のプラス圏定着の重要性を強調するように、消費喚起には物価上昇を上回る賃金の上昇が焦点となる。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は、米関税措置の影響一巡で予想通りプラス成長だが、「思ったより回復が強くなかった」と指摘。個人消費が底堅い一方、設備投資は思ったほどではなく、今後金利が上昇し、賃上げとなれば、「中小企業にとって設備投資をあまりできなくなるリスクもある」と述べた。
日銀は先月、政府の経済対策の効果もあり25年度の実質GDP見通しを上方修正した。植田和男総裁は、各国通商政策の影響を受けながらも、政府対策や緩和的な金融環境などにも支えられ、所得から支出への前向きな循環が強まり、緩やかな成長を続けるとみている。
(詳細を追加して更新しました。個人消費の7期連続プラスは訂正済みです)
--取材協力:野原良明.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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