「給付付き税額控除」は減税の前提条件に
高市総理のめざす食料品消費税ゼロは、2年間という条件付きです。期間限定でなければ、1年で5兆円も必要な減税にはとても踏み出せません。2年後には、代わりに給付付き税額控除という新たな仕組みが導入されているという前提がないと、消費税は元には戻せないでしょう。
要は、2年後に食料品の消費税がもとの8%に戻っても、多くの中低所得者の負担は増えない、と言える制度を作っておくことが必要なのです(もちろん、その財源は別途必要になりますが)。給付付き税額控除の制度創設は、2年間の食料品消費税ゼロを実施するために、決定的に重要な要素になりつつあると言えるでしょう。
システム構築だけでなく所得把握も課題
ただ、給付付き税額控除の導入は、そう簡単ではありません。先に述べたように、まず、給付と減税を一体に行うシステム作りには時間がかかりそうです。
また、減税や給付の判断基準になる所得の把握が、今のままで良いのか、という大きな課題が横たわっています。そもそも税と社会保障の一体改革は、そうした不公平の是正も、大きな目的の一つでした。
例えば、利子や配当などから得られる金融所得は、一律20.315%(復興特別税を含む)の源泉分離課税が済ませることができるため、見かけ上は、所得としては表れてきません。金融資産を多く保有する、高所得者や高齢者は、所得計算上優遇されていると言えます。所得としては年金収入だけだが、利子や配当所得だけで相当な収入がある人にまで、給付する必要はないはずです。給付付き税額控除の制度設計にあたって、こうした点を全くスルーするわけには行かないでしょう。だとすると議論に時間はかかりそうです。